20年という年月が過ぎても、物議を醸したワールドカップでの判定は議論の的となる。
日本との共催だった2002年大会で、韓国はベスト4進出と大きく躍進した。だが一方で、決勝トーナメントのイタリア戦やスペイン戦での判定を巡る騒動が取りざたされたことは忘れられていない。
イタリア戦では韓国の荒々しいプレーやオフサイド判定によるイタリアの得点取り消し、そしてエリア内で倒されたフランチェスコ・トッティにPKが与えられず、逆にダイブによるイエローカードが出されて退場となったことが物議を醸した。
準々決勝のスペイン戦でも、2度の得点取り消しが話題となった。延長前半、ホアキン・サンチェスがクロスを上げた際にゴールラインを割っていたとの判定には、多くの怒りの声が寄せられた。
英紙『Daily Mail』は10月10日、当時のことを「一部でおとぎ話のように語られているが、イタリア人やスペイン人に話してみたらどうか。彼らの多くは20年が経っても韓国の偉業に憤慨している」と改めて伝えている。
「韓国がワールドカップ決勝まであと1試合と迫ったことは、物議を醸し、陰謀論や、韓国よりもFIFAと審判団に対する不正の声が支配的だった」
同紙は「(イタリア戦で笛を吹いた主審バイロン・)モレノはイタリアですぐ悪者となり、当時のFIFA会長ゼップ・ブラッターですら、ワールドカップの舞台にふさわしいレフェリングではなかったと認めている」と報じた。
「イタリア戦の勝利は、共催国である韓国の躍進のためにFIFAがあらゆることをしているとの荒れた陰謀論につながった。そして準々決勝のスペイン戦での2つの大きな誤審により、それらの意見はますます大きくなった」
そのうえで、Daily Mail紙は「ここで言っておくべきは、韓国の人たちが欧州側の主張に苛立ち、怒っていたということだ。彼らによる不正を示唆するものはまったくなかった。彼らは疑惑や陰謀論、審判不正の主張が自分たちや自分たちの国を悪く見せたと感じたのだ」とも伝えた。
「疑問が残る判定の恩恵があったことは否定できない。だが彼らは、自分たちより大国とされる対戦相手たちも責められるべきだと主張するだろう。そしてそこには一定の正当性がある。希望がないとされていた韓国チームは、ワールドカップの歴史に名を残した」
アジア勢がベスト4に名を連ねたのは、後にも先にもこのときだけだ。カタールでは、新たな歴史がつくられるだろうか。
構成●サッカーダイジェストWeb編集部
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