好調を維持しているものの、チームの結果に繋がらない。ラ・リーガのマジョルカに所属する韓国代表MF、イ・ガンインの悩める現状を韓国メディアも憂慮している。
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 現地10月11日に行なわれたリーガ第8節、イ・ガンインはエルチェとのアウェーゲームに先発。この日も軽快な動きを見せてマジョルカ攻撃陣をリードしたが、ゴールやアシストを記録するには至らず、チームは最下位を相手に1-1で引き分けた。マジョルカは通算成績を2勝3分け3敗とし、現在12位に付けている。

 スペインでようやくレギュラーの座を掴んだ若武者だが、韓国全国紙『スポーツソウル日本語版』は「躍動する久保建英とは対照的…虚しい孤軍奮闘続く“韓国の至宝”の苦悩」と題したレポート記事を掲載。次のようにイ・ガンインの置かれた苦境を分析している。

「イ・ガンインは中央とサイドを行き来しながら鋭いプレーを披露した。両チーム最多のキーパス数3回のほか、クロスも11回上げた。そのうち、正確なクロスは2回記録。問題は、イ・ガンインの鋭いプレーを受けられる選手がいないことだ。いくらイ・ガンインが創意的で正確なパスを繋げても、チームメイトが簡単にボールをロストしたり、チャンスでミスをしたりする場面が目立った」

 さらに、「イ・ガンインは今シーズン、安定感のあるプレーでマジョルカの攻撃をリードしている」としたうえで、「現在まで記録した3アシストはリーグ全体2位タイの数字。1試合当たりのキーパス数はリーグ全体5位の2.3回。ドリブル成功数も2.3回で全体の3位と、攻撃の多くの指標で上位にランクインしている」と称える。しかし、「イ・ガンインの創意あふれるプレーに対し、チームメイトが追いつけなかったり、彼の良質なパスを活かせずにいる。これは今回のエルチェ戦に限った問題ではない」と吐き捨てた。
 

 そして、昨シーズンまでマジョルカでチームメイトだった日本代表MF久保建英を引き合いに出し、「彼はレアル・ソシエダで、元スペイン代表MFダビド・シルバらとコンビネーションの良さを発揮し、6位と上位につけるチームで躍動を見せている」と伝え、「(イ・ガンインが)地道に出場機会を得られているのは良いことだが、孤軍奮闘ぶりが目立ってしまうのが残念でならない」との一文で締めくくった。

 2019年のU-20ワールドカップでチームを準優勝に導き、大会MVPに輝いたイ・ガンイン。韓国国内で絶大な人気を誇るアイコンは、先日の国際Aマッチウイークで1年6か月ぶりに韓国代表に招集されたが、パウロ・ベント監督は2試合連続で出場機会を与えなかった。スタジアムに大ブーイングがこだまし、試合後の会見でも監督に執拗な質問が浴びせられるなど、ファンとメディアの期待値はすこぶる高い。いまやソン・フンミン(トッテナム)と同じく、その一挙手一投足に注目が集まる存在なのだ。

構成●サッカーダイジェストWeb編集部