【スペイン代表 カタールW杯2022メンバー】

【スペイン代表 カタールW杯2022メンバー】

GK

ロベルト・サンチェス(ブライトン)

ダビド・ラヤ(ブレントフォード)

ウナイ・シモン(アスレチック・ビルバオ)

DF

セサル・アスピリクエタ(チェルシー)

エリック・ガルシア(バルセロナ)

パウ・トーレス(ビジャレアル)

ウーゴ・ギジャモン(バレンシア)

ジョルディ・アルバ(バルセロナ)

ダニエル・カルバハル(レアル・マドリード)

エメリク・ラポルト(マンチェスター・シティ)

アレハンドロ・バルデ(バルセロナ)

MF

セルヒオ・ブスケツ(バルセロナ)

マルコス・ジョレンテ(アトレティコ・マドリー)

コケ(アトレティコ・マドリー)

ガビ(バルセロナ)

ロドリ(マンチェスター・シティ)

カルロス・ソレール(パリ・サンジェルマン)

ペドリ(バルセロナ)

FW

アルバロ・モラタ(アトレティコ・マドリード)

マルコ・アセンシオ(レアル・マドリード)

フェラン・トーレス(バルセロナ)

ニコラス・ウィリアムス(アスレチック・ビルバオ)

ジェレミ・ピノ(ビジャレアル)

ダニ・オルモ(RBライプツィヒ)

パブロ・サラビア(パリ・サンジェルマン)

アンス・ファティ(バルセロナ)


伝統のパスワークをベースにハイブリッドなチームへ

2010年の南アフリカW杯、2年後のEURO2012とビッグトーナメントを立て続けに制した当時に比べると、“チャレンジャー”の立場にいることは間違いない。ただ、チームとしてのまとまりは列強国の中でも特筆に値するものがあり、伸び盛りの若手も多い。

現役時代にバルセロナとレアル・マドリードの両クラブでプレー経験のあるルイス・エンリケ監督は、伝統的なパスワークをベースに、現代サッカーで不可欠なプレッシングの強度に、状況を見ながらの縦のスピードを加えるハイブリッドなチームを作っている。それでもやはり、W杯参加国の中でも細かいパスとコンビネーションでサイドと中央の間にあるハーフスペースを狙う傾向は強い。

神童・ペドリら擁する人才豊富なインテリオール

4-3-3のシステムで、要になるのはセルヒオ・ブスケツ(バルセロナ)を軸とした中盤だ。スペイン語で“インテリオール”と呼ばれるインサイドハーフのポジションは最もタレントが多く、ラ・リーガ(スペインリーグ)強豪クラブで主力を張る選手でもメンバーに収まりきらないほど。ルイス・エンリケ監督も良い意味で頭を悩ませているであろうセクションだ。

特に“神童”の呼び声が高い19歳のペドリ(バルセロナ)は組み立てから崩しまで多くの局面に関わり、個人で変化をもたらすこともできる。2列目からゴール量産するタイプではないが、ここという勝負どころでのミドルシュートの決定力は要注意だ。さらにカルロス・ソレール(パリ・サンジェルマン)やコケ(アトレティコ・マドリード)、18歳ながらA代表に定着しているガビ(バルセロナ)など、ライバルが羨む陣容だ。

一方でスペイン語で“ピボーテ”と呼ばれる中盤の底ではブスケツが絶対的な存在で、3大会ぶりの優勝を果たすには最も欠かせない選手だ。ただ、9月に行われたポルトガル戦ではロドリゴ・エルナンデス(マンチェスター・シティ)がコケ、ソレールとのトリオで高水準のパフォーマンスを見せて1-0の勝利に貢献。前回大会はサポートメンバーだった大型MFは文武両道の選手としても知られており、プレーのインテリジェンスも高い。現在はブスケツの二番手だが、大会が進む中で存在を高めていくかもしれない。

攻守にタレントを揃える優勝候補

3トップは頂点に190cmのアルバロ・モラタ(アトレティコ・マドリード)が構え、左右からテクニックとスピードを兼備したパブロ・サラビア(パリ・サンジェルマン)やフェラン・トーレス(バルセロナ)がインサイドとアウトサイドを使い分けてフィニッシュに関わってくる。モラタに代わるセンターフォワードがいないため、東京五輪の準決勝で日本を相手に決勝ゴールを決めたマルコ・アセンシオ(レアル・マドリード)が“偽9番”として起用される試合もありそうだ。

バックラインはボールを握りながら全体を押し上げるなかで、正確なパスを繋げて、なおかつ背後に強い選手が重視されている。センターバックのファーストセットはパウ・トーレス(ビジャレアル)とエリック・ガルシア(バルセロナ)で、前者は大型だがスピードがあり、後者は読みと技術に優れている。

左右のサイドバックは攻守両面で貢献できるタレント揃いだが、右サイドバックに経験豊富なセサル・アスピリクエタ(チェルシー)が起用される場合はビルドアップで3バック気味になるなど、柔軟に試合を進めやすい。

守護神のウナイ・シモンは“バスク純血主義”を貫くアスレチック・ビルバオでプレーしており、クラブレベルで国際的に注目されることは少ないが、世界屈指のGKとしてもっと評価を高めても良いタレントだ。決勝まで戦い抜くには26人がハイレベルであることが求められる。センターフォワードやブスケツに何かあった時の中盤と言った不安要素はあるが、スタメンとサブの差が少なく、戦術的な浸透度も高いため、ブラジルやフランスに次ぐ優勝候補のひとつであることは間違いない。

文・河治良幸

スペイン代表予想フォーメーション(4-3-3)

FW
右ウイング:F・トーレス
ワントップ:モラタ
左ウイング:サラビア

MF
右インサイドハーフ:ガビ
左インサイドハーフ:ペドリ
アンカー:ブスケツ

DF
右サイドバック:アスピリクエタ
右センターバック:E・ガルシア
左センターバック:P・トーレス
左サイドバック:J・アルバ

GK
ウナイ・シモン


写真:アフロ