先日、現役を引退した元日本代表MF中村俊輔がワールドカップ(W杯)を熱く語った。

 11月1日、1978年以降の歴代W杯開催国をイメージした「コカ・コーラFIFA開催国ボトル」の発売記念イベントが開催され、俊輔は女優の綾瀬はるかさんと共に参加。トークセッションの他、W杯応援企画として「キックターゲットチャレンジ」に挑戦した。

 開幕が近づくカタールW杯は「どのような観戦スタイルで楽しみたいか」との質問に、俊輔は「家ですね、たぶん。みんなサッカーが好きなので、騒ぎながら見たいと思います」と応じる。

 試合観戦時に声を出すかどうか。司会者から問われると「僕はじっと見ていたいタイプなんですけど、子どもがうるさいですね」と笑顔を見せつつ、子どもたちとは「サッカーの話はしますね。細かいことを聞いてきます」とのことだ。

「大会のどんなところを楽しみたいか?」との質問には、「選手目線と、これから指導者を目ざすので、そういう目線でも見てしまうんじゃないかなと思いますね」。貪欲に世界のサッカーを堪能するようだ。「各国によって、戦術だったり、フォーメーションだったり違うので。そういうのもすごく興味がわきます」。

 現役時代は2006年のドイツ大会、10年の南アフリカ大会とW杯には2大会連続で出場。4年に一度の大舞台を「世界が熱狂する大会。僕は小さい頃から見ていて、自分が実際、ピッチに立った時は、足も震えましたけど、心も震えるぐらい、良い思い出ですね。国を背負って、誇りを持ってプレーできる場所」と振り返る。
 
 W杯制覇の凄さについては「優勝したことがないので分からないですけど」としたうえで、「超一流の選手が集まった国でも勝てない。集団として、戦える集団というか、チームとしてのメンタルが強いチームは上のほうまで行くんじゃないかな。団結ですね」という考えだ。

 また世界の頂点に立つためには、その団結力に加えて「運も必要だと思う。その運を引き寄せる力って、目に見えないんですけど、あると思う。そういうところを引き寄せたチームだと思う」と持論を述べる。

 そんな稀代のファンタジスタは今季、26年のプロ生活に幕を下ろしたが、「実はリーグ戦が終わってスパイクを脱ぐはずなんですけど、今日も練習して。1か月間、まだ練習があるんですよ」と明かす。「だから、なかなかスパイクが脱げないというか(笑)。まだやれる」。もっとも、そんな日々も「幸せ」と噛みしめる。

「今はそれを全うして。もうちょっとサッカーができるんで」。しばらくはピッチでボールを蹴りながら、「それが終わったら、先ほど言ったみたいに、指導者になれるように少しずつ勉強して」と、新たなキャリアをスタートさせるようだ。

構成●サッカーダイジェストWeb編集部

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