昨年末のFIFAワールドカップでドイツとスペインを撃破した日本代表。
ボールポゼッションでは劣勢だったが、世界的強豪相手に見事な勝利を掴んでみせた。
そうしたなか、元日本代表DF田中マルクス闘莉王が前園真聖のYouTubeで、現在の代表について語った。
闘莉王は自らが出場した2010年W杯当時の日本代表と現在のチームを比較。
「みんな上手くなりましたね。特に攻撃的な面。正直、2010年(W杯)で今のバックライン、今の前目の中盤がいたら、俺らパラグアイ戦には勝てました。今の差がそこにあると思うんです。自分たちで時間を作れるようになったのがデカい。失う確率もすごく低いし、ポゼッションもよくなったし、技術的なところは非常にレベルが高い」と評価している。
そのうえで、2022年W杯でのプレーについてはこう話していた。
「(日本は)勝負所で強いところを見せてくれた。ドイツとスペイン戦で。でも、パーセンテージとしたら、ドイツとスペインのほうがよっぽどいいサッカーをしていた。
(日本は)ポイントで点をとれたことがすごくデカかった。正直なところ、玄人目線だったら、ドイツ戦もスペイン戦も負け試合ですよ。ものにできたのは勝負強さと言わざるをえない。
あれをきっかけにこれからどうなっていくか。一番問題なのは、今までは負けなければいい。これからは勝たなければいけない。これは違いますよね。上から見るのと、下から見るのは全然違うので。
これから勝たなければいけない、今回のアジアカップもそうですけど、優勝しなきゃいけない。誰が見てもレベルが違う。W杯でグループステージ突破するのは当たり前。そうなるとやり方がまた違うんですよね。変なプレッシャーがきますよね。潰すサッカーと作るサッカーは違うので。それができるかどうかが一番ポイントだと思いますね。
今までは負けなきゃいいんすよ、(守備を)固めればいいんですよ。ドイツ戦もボコボコの前半ですよ。3~4点入ってもおかしくない。相手が外してくれた。外してなかったらどうだったんだって、日本は勝てなかったはずなんですよ。展開的に押し込まれて、全然シュートまでいけない。
今度は自分たちでゲームを作る番になると、大丈夫なのかなって思ってしまいますね。でも、楽しみでめちゃくちゃ応援していますから」
試合展開的にはドイツ戦もスペイン戦も日本が負けていたと指摘。
そういった試合をものにする勝負強さを見せつけてくれたものの、ベスト8以上に行くためには自分たちで主導権を握る戦いができるようにならなければいけないがそれは簡単ではないと感じているようだ。