トッテナムのフランス代表GKウーゴ・ロリスが、カタール・ワールドカップ(W杯)に関する各種問題について自身の見解を示した。フランス『レキップ』が伝えている。
開幕まで1週間を切ったカタールW杯。各国の招集メンバーが発表され、スポーツ面では少しずつ盛り上がりを見せ始めているが、それと同時に開催決定の段階から燻るカタールの外国人労働者の扱い、制限的な社会制度、LGBTQIA+の権利に関する各国の懸念が高まっている。
これを受け国際サッカー連盟(FIFA)は先日、各国に対して、開催国を取り巻く政治に焦点を当てるのではなく、フットボールに集中するよう促す動きを見せた。
フランス代表でキャプテンを務めるロリスは、14日に代表チームの公式会見に出席。カタールを巡る各種問題に対して、個人的に思うところはあるとしながらも、FIFAの指摘通り、一人の選手としてまずはスポーツ面に集中したいとの見解を示した。
「正直なところ、僕は(FIFAの意見に)同意する」
「(政治的な問題への懸念に関して)プレーヤーたちにプレッシャーがかかりすぎている。僕らはチェーンの底辺にいる」
「プレッシャーをかけなければならないなら、(開催地決定の)まず10年以上前にすべきだった。今では遅すぎる」
「プレーヤーにとって、この機会は4年ごとに発生することを理解する必要があり、すべてのチャンスを成功させたいと考えている。焦点はフィールドに置かれなければならない。残りは政治家に向けたもので、僕らはアスリートだ」
また、ここ最近ではあらゆる差別反対を訴える目的で9月のインターナショナルマッチウィークでヨーロッパのチームのキャプテンたちが着用したレインボーカラーの腕章をW杯でも着用すべきとの提案も挙がっている。
この会見でレインボーカラーの腕章着用の意思はあるかとの問いを受けたトッテナムGKは、まずはフランスサッカー連盟(FFF)のノエル・ル・グラエ会長と話し合う必要があると、慎重な姿勢を示している。
「そもそも、何かをする前にはFIFAとFFFが同意する必要がある。もちろん、僕にも個人的な意見はあるし、(着用を避けるべきとの)会長の意見とも多少一致する部分もある」
「フランスでは、外国人を迎えるとき、自分たちのルールを守り、文化を尊重してほしいと思うことがよくあるけど、カタールに行くときも同じようにするつもりだ。彼らの考えに賛成であろうと反対であろうと、僕はそれに対して敬意を示さなければならないと考えている」
なお、フランスはグループDでオーストラリア代表、チュニジア代表、デンマーク代表と対戦する。大会連覇を狙うレ・ブルーの守護神は、過去のディフェンディングチャンピオンの戦績を引き合いに出し、グループリーグの戦いが困難なものになると考えている。
「ディフェンディングチャンピオンになることは簡単なことではないよ」
「直近の3カ国のチャンピオンを見ると、彼らはとても苦戦し、グループステージを通過できなかった」
「まずはグループリーグ突破が最初の目標だよ。ベストを尽くさなければならない。そして、ベスト16以降は異なる大会になることも理解している。1試合では何でも起こり得るんだ」