サッカー日本代表は、FIFAワールドカップカタール2022に向けて準備を進めている。夏に鹿島アントラーズからセルクル・ブルージュに移籍した上田綺世は、ベルギーと日本の違いを肌で感じているようだ。
鹿島では6月までに10得点を記録し、ベルギー移籍を決断した。新天地デビューから5試合はゴールがなかったが、直近6試合で5得点とハイペースでゴールを重ねている。チームもその間に5勝1分と好調を維持している。
上田は「もともとW杯を見据えたうえで移籍したつもりはない」と前置きしたうえで、両国のサッカーの違いを明かしている。
「サッカーの文化自体が想像していた以上に違う。守備をするとかしないとかもあるんですけど、日本だと多くのチームがより長い時間、ボールを保持して、ゆっくりとゴールに迫っていく。そして、試合中はなるべくマイボールの時間を長くすること、より楽に勝つことが多分いいとされている」
「僕らの(ベルギー)リーグというか、僕のチーム(セルクル・ブルージュ)は全然違う。より速く相手からボールを奪って、より速くゴールに迫る。そしてその回数を増やしていく。だから攻守一体というか、守備も攻撃の1つだし、攻撃も守備の1つになっている」
「だからどっちもできないと戦術としてフィットできないし、そこが際立ってしまう。やることは絶対だし、与えられたポジションの中で強度と自分を高めながら、そこを全うしなきゃいけないってことが今、ようやく形になりつつある」
上田はサッカーの違いを感じつつも、新たな環境に適応して結果を残している。その経験はどのような形でワールドカップに臨む日本代表に還元されるのか。
「(ベルギーリーグとワールドカップでは)相手のレベルもまた違いますし、気候も違えばチームメイトも違う。正直、ベルギーで僕が調子いいからこっちでも同じようにできるとは僕は思っていない。そこは1つまた違うチームに入る、違うポジションをやるということで、まったく別のものになる」
「ただ、高強度でやってきたことで自分のコンディションも良かったりとか、その強度で出せるパフォーマンスというのは少なからず日本にいた時よりは引きあがっていると思う。自分の特徴をチームの戦術に乗っけられたらいい」
ベルギーでのパフォーマンスに手ごたえを感じつつも、上田は浮かれることなく客観的に自身の現状を捉えている。
(取材:元川悦子【カタール】、構成:編集部)
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