サッカー日本代表は17日、国際親善試合でカナダ代表と対戦する。
36年ぶりのワールドカップ出場となるカナダ代表を率いるのは、イングランド人のジョン・ハードマン監督だ。1975年生まれで現在47歳の指揮官はプロ選手としての経験がなく、母国の大学で非常勤講師をしながら指導者としての活動を始めた。
そして、男子代表を率いる監督としては異色の経歴を持つことでも知られる。ハードマン監督は2006年から2011年にかけてニュージーランド女子代表を率い、2度のFIFA女子ワールドカップ出場を経験した。
もともとは2001年にニュージーランドへ移住し、育成部門の強化を担う役職で奮闘していた。地元のアマチュアクラブで選手としても活動する“二刀流”で実績を積み上げてきたという。
その後は2012年から2018年1月にかけてカナダ女子代表監督を務め、2012年のロンドン五輪と2016年のリオデジャネイロ五輪で銅メダルを獲得。自国開催だった2015年の女子ワールドカップでは、2大会連続でグループステージ敗退に終わっていたカナダをベスト8まで引き上げた。
こうした女子サッカーでの経験を買われ、2018年1月8日にカナダの男子A代表監督に抜てきされると、長くワールドカップから遠ざかっていたチームを再び世界の舞台に導いたのである。メキシコやアメリカ合衆国など強豪と互角以上に渡り合い、世界への道を切り開いた手腕は特筆に値する。
男女両方のワールドカップに出場した監督は、極めて珍しい。2021年にはFIFAランキングで72位まで低迷していたカナダ代表を一気に過去最高の40位まで押し上げ、2022年に入ってからさらに過去最高順位を更新している。一時は33位まで到達していた。
日本代表の森保一監督によれば、現カナダ代表監督は女子チームの指導をしていた当時、日本サッカーや日本の選手育成システムを学んでいたとのこと。今でも男子代表の強化に日本サッカーのシステムを活用しようと熱心だとか。
カナダ代表の指揮官と直接コミュニケーションを取ったことがある日本代表監督は「カナダの組織力は世界トップクラスのものを持っていると思いますし、アルフォンソ・デイビスがバイエルン・ミュンヘンで戦っていたり、そういう個の力と組織力をうまく使ってチーム作りをされている」と、その手腕を称えた。
カナダサッカー界の発展に大きく貢献してきたイングランド指揮官は、「二刀流」と「日本サッカーからの影響」によって結果を残してきた。ハードマン監督がカナダサッカー界に残した功績は大きい。
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