イングランド戦の結果を日本代表はどう受け止めたか
ワールドカップ・カタール大会がスタートし、21日にはイングランドとイランが対戦した。
イランはFIFAランキング20位とアジアでは最上位に位置するチームで日本代表よりも上だ(日本は24位(10月版))。アジア最終予選では韓国と同じグループAに入り、10戦8勝1分1敗で予選を突破している。その際は10試合で4失点しかしておらず、アジアでは強さを見せた。
しかし初戦の対イングランドではまさかの6失点大敗。前半後半にそれぞれ3ゴールずつ奪われ、初戦から自信を失う結果となってしまった。
まずかったのはハイプレスでの対応だ。イランはイングランドに対し序盤から積極的にハイプレスをかけており、絶対に前を向いてボールを持たせないという気概を感じるシーンもあった。ただ勢いがあったのは序盤くらいで、その後はイングランドのビルドアップに綺麗にかわされてしまい、ロングカウンターを受ける場面が散見されている。
イランのハイプレスを仕掛けるという選択は間違っていない。実際これほど実力差のあるチーム同士の対戦となれば引きこもっているだけでは勝機は見いだせない。ただスタミナや集中力が切れる前半や後半の終盤まで継続してしまったのは悪手だったかもしれない。前線と中盤、後方の選手の意志統一が取れていない場面が多く見られており、前線の選手は積極的にプレッシングを行うが、後方の選手はラインを上げることができず、中盤にスペースが生まれてしまっていた。84分の場面が分かりやすい。フィル・フォーデンが中盤でパスを引き出し、そこから一気にカウンターを仕掛けている。ハイプレスも重要だが、撤退守備で耐える時間をもう少し長く取るべきだった。
同じくハイプレスから相手のビルドアップをかき乱そうとしている日本代表もこの問題に直面している。9月のアメリカ戦では上手くいったが、続くエクアドル戦、カナダ戦でハイプレスが機能していたとはいえない。ましてや本戦の相手はドイツ、スペインと前述した3カ国よりも上手だ。ハイプレスを行うタイミングと引き際が大事になる。
イランと同様に日本も積極的なハイプレスで相手の脅威になろうとしているが、イランは裏目に出てしまった。森保ジャパンにはまだ時間が残されており、どういった選択肢を取るのか注目だ。