カタールW杯が11月20日、いよいよ開幕する。開会式は現地時間18時のスタート、オープニングゲームはカタール対エクアドル同19時のキックオフだ(日本との時差はー6時間)。
 
 サッカーダイジェスト特派の一員として、先駆けてドーハ入りしたのが11月9日。空港やメトロ駅がW杯仕様になってはいたものの、さすがに開幕11日前では各国サポーターの姿はほとんど見かけなかった。
 
 メトロ駅でユニホームを着込んだ一団に出会ったことはあった。ただ、よくよく見ると現地の出稼ぎ労働者風。彼らはどうやらスポンサーや各メーカーが配ったシャツを着て、大会中の“予行練習”に付き合っていただけのようだった。
 
 入国2日目に足を伸ばした海沿いにあるW杯カウントダウンクロック前では、多くの人が写真を撮っていた。ただそれも、単なる旅行者か地元民がほとんどだった。

 しかし、ドバイでの日本vsカナダ戦を終えて、11月18日午前2時頃にドーハに戻った頃には状況が一変。空港はもちろんメトロでも各国のユニホームを着たサポーターが増えていたし(メトロ内では日本代表のユニホームを着た女性サポーターも見かけた)、定宿にするホテルにも各国メディアが続々と入っていた。日本代表トレーニング取材で足を運べなかったが、11月19日のファンフェスティバル開幕セレモニーも盛況だったようだ。
 
 とはいえ、同じく現地特派を務めたEURO2016フランス大会や2018年W杯ロシア大会と比べれば、“熱気”という意味では見劣りする印象はある。その最大の要因は、やはりアルコール。カタールでは一部のホテルやディスコなどを除いて公共の場での飲酒が違法のため、それこそフランスやロシアと比べると“酔っ払い”をほとんど見かけない。
 
 W杯に向けては、スタジアム周辺でキックオフ3時間前から1時間前まではビール販売が認められる予定だった。しかし一転して開幕2日前の11月18日、それも無効になった模様。FIFAがあくまでもアルコール禁止を求めるカタール国家に折れた形と見られる。
 
 各国のファンがアルコールをあおってテンションを上げ、スタジアムや街中で大騒ぎする——。そんなW杯特有の雰囲気は、カタールW杯では生まれにくいかもしれない。
 
 大会が開幕すれば、各国サポーターの数はさらに増えていくはず。その中でドーハの雰囲気がどう変わっていくのか。引き続き注目したい。
 
取材・文●白鳥大知(サッカーダイジェスト特派)

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