FIFAワールドカップカタール2022(カタールW杯)が、11月20日(日本時間21日)ついに開幕。第22回目にして、初めての中東開催となるカタールW杯。史上最もコンパクトな大会と言われるなど、普段と異なる様々な特徴を含む大会である。
出場は32カ国。日本代表は、日本時間23日にドイツ代表とのW杯グループリーグ初戦を迎え、27日にコスタリカ戦、12月2日にスペイン戦が予定されている(グループE)。
ところでW杯には様々な賞が存在するが、得点王に与えられるのはゴールデンブーツ賞という。この賞が始まったとされる1982年のスペインW杯当時はゴールデンシュー賞と呼ばれ、初代ゴールデンシューにはイタリアのFWパオロ・ロッシが輝いた(2010年南アフリカW杯時にゴールデンブーツ賞に改名)。ここでは過去3大会の得点王の傾向と共に、カタールW杯の得点王を予想してみよう。
過去3大会の得点王の傾向は?
まずは、過去3大会の得点王と順位の関係性を見ていこう。W杯のようなトーナメント形式の大会において、得点王を獲得する確立が高いのは当然ながら決勝まで残った場合となる。出場試合数が多ければ多いほど、得点するチャンスが増えるためである。
2010年南アフリカW杯。得点王はドイツのFWトーマス・ミュラーが5得点3アシストで獲得した。他にもFWダビド・ビジャ(スペイン)MFウェズレイ・スナイデル(オランダ)FWディエゴ・フォルラン(ウルグアイ)も5得点を決めたが、アシスト数差でミュラーとなった。この時のドイツは3位となり、試合数は最多であった。
2014年ブラジルW杯。得点王はコロンビアのMFハメス・ロドリゲスが6得点2アシストで獲得した。だが、コロンビアは同大会ベスト8で敗退しており、2位のFWトーマス・ミュラー(ドイツ)と比較しても出場時間はミュラーの58%しかなく、ロドリゲスの爆発力がわかる結果となった。
2018年ロシアW杯。得点王はイングランドのFWハリー・ケインが6得点で獲得した。イングランドは同大会4位となり、こちらも試合数は最多であった。
この傾向から、以下にカタールW杯での得点王となる可能性の高い5名を選出した。
カタールW杯得点王候補:ネイマール(ブラジル)
まずはセレソン(ブラジル代表)の至宝、FWネイマール(パリ・サンジェルマン)。ブラジルには他にも得点王を狙える選手がいるが、この大舞台で輝くのにふさわしいのは彼である。10代から注目を浴び続けたネイマールも、ついに30歳を迎えた。身体能力的にピークは今大会であろう。リーグ・アンにおいても2022/23シーズン14試合で11得点を記録。成熟したテクニシャンがカタールW杯を沸かせてくれるであろう。
カタールW杯得点王候補:キリアン・ムバッペ(フランス)
次の10年間、バロンドール(世界年間最優秀選手賞)に1番近い男と言えるだろう。23歳にして世界最高峰の選手へとたどり着いたフランスのFWキリアン・ムバッペ(パリ・サンジェルマン)。得点力は既に証明されており、2022/23シーズンのリーグ・アンでも14試合で12得点と、同僚であるネイマールやリオネル・メッシを抜く得点数を記録している。得点王争いをパリの同僚とすることとなるが、ここでゴールデンブーツ賞を獲得することが、彼の未来を語る上では必要になってくるだろう。
カタールW杯得点王候補:リオネル・メッシ(アルゼンチン)
最後のW杯を優勝と得点王という最高の形で終えようとしているアルゼンチンのFWリオネル・メッシ(パリ・サンジェルマン)。リーグ・アンでは2022/23シーズン13試合で7得点と好調を維持。加えて、アルゼンチン代表では、直近の国際Aマッチでは5試合で10得点と絶好調。この好調を維持し、有終の美で終えることができるか。最後の挑戦が始まる。
カタールW杯得点王候補:トーマス・ミュラー(ドイツ)
この男をカタールW杯で得点王候補に入れている人は少ないだろう。しかし、大舞台での強さをこれまで数々のシーンで証明してきた。ドイツのFWトーマス・ミュラー(バイエルン・ミュンヘン)である。今2022/23シーズンのブンデスリーガでは8試合で2得点と苦しい状況が続いているが、W杯という大舞台では輝いてくれるはず。前回ロシアW杯では、ドイツがまさかのグループリーグ敗退。ミュラー自身も得点を記録せずに大会を終えた。雪辱に燃える今大会、ドイツとともにミュラーも輝けるか。
カタールW杯得点王候補:ハリー・ケイン(イングランド)
1966年以来の優勝を目指すイングランドの主将FWハリー・ケイン(トッテナム・ホットスパー)こそ、カタールW杯のゴールデンブーツ賞に1番近いかもしれない。今2022/23シーズンのプレミアリーグでは、15試合12得点と得点ランキング2位につけている。イングランドは今大会上位に食い込むことが大方の予想であり、そうなれば間違いなく得点王に近づくであろう。FWラヒーム・スターリング(チェルシー)という得点王候補がチームにいるが、ケインこそスリーライオンズ(イングランド代表)の得点王に相応しいといえる。