【コラム】今大会でひと際注目の選手10人をピックアップ

 4年に一度行われるサッカーの祭典「ワールドカップ(W杯)」は、中東のカタールを舞台に約1か月間にわたって開催。出場32か国による熱戦の数々に期待が高まるなか、世界中が注目するW杯の知識を蓄えるべく「入門コラム」をお届け。今回は今大会でひと際注目の選手10人をピックアップし紹介する。

■リオネル・メッシ(FW/アルゼンチン代表/パリ・サンジェルマン)
 歴代最多7度のバロンドール受賞歴を持つ現代最高のフットボーラー。クラブレベルでは数え切れないほどのタイトルを獲得してきたが、W杯は準優勝が最高到達地点。「これが最後」と明言している今大会で悲願のトロフィーを手にすることができるか。

■キリアン・ムバッペ(FW/フランス代表/パリ・サンジェルマン)
 19歳で出場した前回のロシアW杯で4得点を挙げ、優勝の立役者となった異才。相手を置き去りにする桁違いのスピードは観る者の度肝を抜いた。過去にイタリアとブラジルの2か国しか成し遂げていない連覇のためにはこの男の活躍が不可欠だ。

■フィルジル・ファン・ダイク(DF/オランダ代表/リバプール)
 身長190センチを超える体躯にスピード、パワー、テクニックのすべてを備えた世界最高のセンターバック。守備の要であり、キャプテンとしてチームをまとめる頼れるリーダーだ。W杯はこれが初出場。各国のストライカーたちはできることならマッチアップを避けたいと考えているだろう。

■ケビン・デ・ブライネ(MF/ベルギー代表/マンチェスター・シティ)
 中盤でタクトを振るう比類なきコンダクター。針の穴を通す正確無比なキックはもはや芸術の域で、わずかな隙も見逃さずチャンスにつなげる。ベルギーが優勝候補と言われるようになって久しいが、実現するならこの男が全盛期の今がその時だろう。

■ルカ・モドリッチ(MF/クロアチア代表/レアル・マドリード)
 クロアチアが誇る前回大会のMVP。2006年ドイツ大会の日本戦でW杯デビューを果たした男にとって今回が4度目の大舞台となる。抜群のテクニックを生かしたキープ力と推進力で攻撃にリズムを生み出すだけでなく、機を見てパンチ力あるミドルシュートでゴールも狙う。円熟のプレーから目が離せない。

ネイマールは代表通算74得点、今大会で“ペレ超え”の可能性も

■カイ・ハフェルツ(FW/ドイツ代表/チェルシー)
 2020-21シーズンのUEFAチャンピオンズリーグ(CL)決勝でチェルシーの優勝を決める値千金のゴールを奪ったレフティー。190センチの長身だが、足もとの技術に優れたエレガントなプレースタイルが特徴だ。負傷で欠場を余儀なくされたFWティモ・ヴェルナー(RBライプツィヒ)に代わる前線の柱として期待を背負う。

■クリスティアーノ・ロナウド(FW/ポルトガル代表/マンチェスター・ユナイテッド)
 所属クラブで出場機会を減らし、かつてほどの影響力は感じられなくなった。それでもポルトガルでは不動のレギュラーに君臨する。かつてはドリブラーだったが、今では左右両足での強力なシュートと打点の高いヘディングシュートなどあらゆるパターンで得点を奪う典型的なストライカー。代表通算115得点は世界歴代1位だ。

■ネイマール(FW/ブラジル代表/パリ・サンジェルマン)
 王国ブラジルの象徴的存在。10代の頃からスター街道を歩んできた男も気づけば30歳を迎えた。過去2度のW杯は辛酸をなめてきただけに、今大会に懸ける思いはひとしおだろう。代表通算74得点で、あの王様ペレが持つ最多記録にあと「3」と迫る。カタールの地で歴史を塗り替えることになるだろうか。

■ソン・フンミン(FW/韓国代表/トッテナム)
 昨季、アジア人として初めてプレミアリーグで得点王のタイトルを獲得した韓国の至宝。両利きとして知られ、左右の足から放つシュートの技術は必見に値する。大会直前に顔面を骨折するアクシデントに見舞われたが、手術を受けて順調な回復をSNSでアピールした。間違いなくチームの命運を握る存在だ。

■ティボー・クルトワ(GK/ベルギー代表/レアル・マドリード)
 レアルのCL制覇に絶大な貢献を示した守護神。歯に衣着せぬ発言で注目を浴びることも多いが、実力はもちろんワールドクラスだ。シュートに対する驚異的な反応速度と長い手足を生かしたセービングはピカイチ。2002年日韓W杯のオリバー・カーン以来となるGKのMVPが現れるとすれば、彼が最も有力な候補と言えるだろう。(FOOTBALL ZONE編集部)