前半から得点を奪い合う

MATCH 63 3位決定戦
2022年12月17日 18:00キックオフ(会場:ハリファ国際スタジアム)

クロアチア 2-1 モロッコ

優勝候補のブラジルをPK戦の末に破った前回大会のファイナリスト・クロアチア。ベルギーやスペイン、ポルトガルに勝利するなど、ジャイアントキリングを連発してアフリカ勢初となるFIFAワールドカップのベスト4進出を果たしたモロッコ。惜しくも決勝には進めなかったものの、3位決定戦は今大会を大きく盛り上げた両者による一戦となった。

序盤から試合は動いていく。7分にはクロアチアのFKのチャンスで、キッカーのマイェルはペナルティエリア左に浮き球を送る。反応したペリシッチが中央に折り返すと、グバルディオルがダイビングヘッドでシュートを放ち、ゴールネットを揺らして先制点を奪う。クロアチアはデザインされたセットプレイからゴールを決めてみせた。

しかしモロッコもセットプレイから同点に追いつく。9分にFKからツィエクがクロスを供給すると、マイェルの頭に当たり、最後はダリが反応してヘディングシュート。同点に戻す一発で、モロッコがクロアチアに食らいつく。

それでも前半のうちに勝ち越したのはクロアチア。コバチッチがペナルティエリア中央でボールを奪い返すと、こぼれ球をリヴァヤが回収する。スルーパスに反応したオルシッチが左からシュートを放ち、右のポストに当たってボールはネットに吸い寄せられる。前半終了間際にリードを奪ったクロアチアはいい流れで試合を折り返した。

[W杯マッチ63]波乱を起こした両国の3位決定戦はクロアチアに軍配 ラストW杯が濃厚な主将モドリッチが有終の美を飾る
決勝ゴールを決めるオルシッチ photo/Getty Images

1点リードを耐え抜いたクロアチア

再び同点に追いつきたいモロッコは後半に猛攻を仕掛ける。ツィエクとブファルの両サイドを起点としてモロッコは攻め入るものの、決定的なチャンスを作れない。対するクロアチアは74分に左サイドのオルシッチがドリブルで切り込んでペナルティエリア内にパスを送ると、反応したのはオーバーラップしていたグバルディオル。今試合のスコアラーが追加点を狙いに行くも、相手の守備に遭って決定機とはならず。その直後にはクロスボールのこぼれ球に反応したエン・ネシリがシュート。しかしリバコビッチの好セーブに遭い得点を奪うことはできない。

試合終盤はボールを保持して同点を狙うモロッコと耐えるクロアチアの様相に。後半アディショナルタイムには左サイドからのクロスにエン・ネシリが頭で合わせるビッグチャンス。準々決勝のポルトガル戦を彷彿とさせるヘディングシュートだったが、わずかにボールは枠の上に外れてしまう。試合は2-1とクロアチアが勝利し、モロッコは3位で大会を終えることとなった。

グループステージでも対戦した両者は、そこからインパクトを残しながら躍進し、決勝前日に再び相まみえた。スコアレスドローだった前回よりも自らのスタイルに自信を身につけて戦う一戦は非常に見応えのある試合となった。クロアチアのモドリッチは全試合でスタメンに名を連ねるなど大車輪の活躍を見せている。成績こそ前回大会よりも1つ下げることとなったが、最後とも言われているワールドカップを勝利で終えた。モロッコも大会終盤の疲労感は否めなかったが、名だたる強豪国を次々に倒して全世界に衝撃を与え、大会4位とアフリカサッカー界に新たな歴史を刻んだ。

[W杯マッチ63]波乱を起こした両国の3位決定戦はクロアチアに軍配 ラストW杯が濃厚な主将モドリッチが有終の美を飾る
3位に輝いたクロアチア photo/Getty Images

[スコア]

クロアチア 2-1 モロッコ

[得点者]

クロアチア
7分 ヨシュコ・グヴァルディオル
42分 ミスラフ・オルシッチ

モロッコ
9分 アクラフ・ダリ

[ポゼッション]

クロアチア 44% モロッコ 44% 中立 12%

[シュート数]

クロアチア 13 モロッコ 7

[枠内シュート]

クロアチア 4 モロッコ 2

[イエローカード]

モロッコ 2枚
アゼディン・ウナヒ
セリム・アマラ

[レッドカード]
なし

クロアチア

フォーメーション:[4-2-2]

監督:ズラトコ・ダリッチ

GK

ドミニク・リバコビッチ(ディナモ・ザグレブ)

DF
ヨシプ・スタニシッチ(バイエルン/ドイツ)
イヴァン・ペリシッチ(トッテナム/イングランド)
ヨシュコ・グヴァルディオル(ライプツィヒ/ドイツ)
ヨシプ・シュタロ(ディナモ・ザグレブ)

MF
ロブロ・マイェル(レンヌ/フランス)
マテオ・コバチッチ(チェルシー/イングランド)
ルカ・モドリッチ(レアル・マドリード/スペイン)
ミスラフ・オルシッチ(ディナモ・ザグレブ)

FW
アンドレイ・クラマリッチ(ホッフェンハイム/ドイツ)
マルコ・リバヤ(ハイドゥク・スプリト)

交代出場
61分 アンドレイ・クラマリッチ→ニコラ・ヴラシッチ(トリノ/イタリア)
66分 マルコ・リバヤ→ブルーノ・ペトコヴィッチ(ディナモ・ザグレブ)
66分 ロブロ・マイェル→マリオ・パシャリッチ(アタランタ/イタリア)
90+5分 ミスラフ・オルシッチ→クリスティヤン・ヤキッチ(フランクフルト/ドイツ)


モロッコ
フォーメーション : [4-3-3]

監督 : ワリド・レグラギ

GK
ヤシン・ブヌ(セビージャ)

DF
アクラフ・ハキミ(パリ・サンジェルマン/フランス)
ジャワド・エルヤミク(バジャドリード/スペイン)
アクラフ・ダリ(スタッド・ブレスト/フランス)
ヤヒア・アティヤトアラー(ウィダード)

MF
ソフィアン・アムラバト(フィオレンティーナ/イタリア)
アブデルハミド・サビリ(サンプドリア/イタリア)
ビラル・エル・ハヌス(ヘンク/ベルギー)

FW
ハキム・ツィエク(チェルシー/イングランド)
ソフィアン・ブファル(アンジェ/フランス)
ユセフ・エン・ネシリ(セビージャ)

交代出場
46分 アブデルハミド・サビリ→イリアス・シャイル(クイーンズ・パーク・レンジャーズ/イングランド)
56分 ビラル・エル・ハヌス→アゼディン・ウナヒ(アンジェ/フランス)
64分 ソフィアン・ブファル→アナス・ザルリ(バーンリー/イングランド)
64分 アクラフ・ダリ→バドル・バヌン(カタールSC/カタール)
66分 ジャワド・エルヤミク→セリム・アマラ(スタンダール・リエージュ/ベルギー)