現地時間11月21日、カタール・ワールドカップのグループB、優勝候補の一角と言われるフットボールの母国イングランドと、アジア最強とされるイランとの一戦が、アフマド・ビン・アリ・スタジアムでキックオフされた。
キックオフ前にイングランドの選手たちは膝を立てたポーズで人種差別への抗議を込めたメッセージを送った。同性愛者などへの差別反対を表現した「One Love」と書かれた虹色のキャプテンマークは、政治的メッセージを禁止する国際サッカー連盟(FIFA)が警告を出すという姿勢に出たため、主将のケインは着用しなかったと見られる。
試合は開始直後からイングランドが主導権を握り、攻め込まれるイランは5バックで守りを固める。しかし9分、イラン守護神ベイランバンドが、CKの守備で味方と激突し、鼻から流血して倒れ込む。一度はプレー続行も、脳震盪の疑いもあり、ホセイニとの交代を余儀なくされた。
対するイングランドは、35分にベリンガムがショーのクロスに頭で合わせ、ふわりとしたヘディングシュートで先制点を奪取。ドルトムント所属の19歳FWにとっては、これが代表初ゴールとなる。
43分にはCKのこぼれ球からサカが豪快なボレーで2点目を奪い、45+1分にはケインのクロスに飛び込んだスターリングがダイレクトシュートを叩き込み、W杯初ゴールを記録。その後、14分のアディショナルタイムを消化し、3-0で前半を終えた。
【動画】ベリンガムの先制シュート、サカの豪快なボレーで2点目! イングランドのゴールシーンをチェック
後半、イランは3人を入れ替えて打開を図るが、イングランドの優勢は揺るがない。62分、サカがゴール前でDFを翻弄した後に左足を振り抜き、この日、2点目を奪う。
65分にイランのタレミが1点を返すが、イングランドは71分にフォデン、グリーリッシュ、ダイアー、ラッシュフォードを投入。直後の72分にラッシュフォードがファーストタッチでシュートを流し込み、再び4点差とした。
試合はその後もイングランドが攻勢を緩めないまま、90分にグリーリッシュがダメ押しのゴールを決める。10分のアディショナルタイムにオンフィールドレビューを経てイランにPKが与えられると、タレミが冷静に決めてこの日2点目を挙げるが、反撃はここまで。結果6-2でイングランドが圧勝。66年大会以来の優勝を目ざし、上々のスタートを切った。
構成●サッカーダイジェストWeb編集部