前半36分、プリシッチのスルーパスに反応して先制ゴール

 カタール・ワールドカップ(W杯)は11月21日に大会2日目を迎え、グループリーグB組第1戦ではアメリカ代表とウェールズ代表が対戦した。前半36分にはアメリカ代表FWティモシー・ウェアがゴール。バロンドールを受賞した父が果たせなかったW杯でのゴールを成し遂げた。

 序盤から攻勢に試合を進めていたアメリカは前半36分、FWクリスティアン・プリシッチがドリブルで突破を仕掛けてDFを引き付け、スルーパスを送る。これに反応したのがウェアだった。プリシッチのパスを受けるとボールを運び、右足のアウトサイドでシュートを放つ。この一撃がゴールネットを揺らし、アメリカが先制点を挙げた。

 ウェアという名前に、ピンときたオールドファンもいるだろう。ウェアの父は、1990年代のACミラン黄金期に大活躍を見せた元リベリアFWで、現在はリベリアの大統領を務めるジョージ・ウェア氏。驚異的な身体能力を誇り、「リベリアの怪人」と呼ばれ、1995年にはバロンドールも受賞したが、リベリア代表としてW杯には一度も出場できなかった。サッカー史に名を残す偉大な父も成しえなかったW杯出場、そしてW杯でのゴールという偉業を、22歳のサラブレットは成し遂げた。

 大きなポテンシャルを秘めるサラブレッドは、このカタールW杯でいくつのゴールを積み重ねることになるだろうか。(FOOTBALL ZONE特派・河合 拓 / Taku Kawai)