強豪ドイツの印象は「シンプルに能力がある選手が多い」

 カタール・ワールドカップ(W杯)のグループリーグ初戦に向けて準備を進める日本代表は、11月21日にトレーニングを行った。練習終了後、DF冨安健洋(アーセナル)が取材に応じ、自身の回復具合について言及している。

 今年に入って負傷の続く冨安だが、11月21日のトレーニングでは冒頭15分のウォーミングアップをほかのチームメイトたちと行った。冨安は「元々、初戦に間に合う予定で準備をしていたので」と言い、回復が順調に進んでいることを強調した。そして、負傷個所についての不安はないかという問いには、短く「はい」と頷いた。

 23日には世界有数の強豪であるドイツ代表と対戦するが、「シンプルに能力がある選手が多い。ドイツっていうよりは、初戦が大事と思っているので、しっかりまずは(失点)ゼロで抑える時間を長くすることが大事だと思っています。相手どうこうよりは、自分たちがしっかりやるべきことを整理したい。ここまでしっかり整理しながら準備できているので、いい感じで来ていると思います」と、チームとしても順調に調整が進んでいると話している。

 ドイツはボールを失った後、猛烈なプレスをかけて再びボールを奪い返しにくる。冨安も、ボール奪取後に再奪取を許さないことの重要性を口にするとともに、守備一辺倒ではいけないと指摘する。

「奪ったボールは、かなり大事になると思っています。メンツ的には、どちらかと言うと、奪ってそのままショートカウンターでゴールまで向かうことができるメンバーだと思っている。かといって状況判断が必要だと思うので、相手陣内でボールを持つ時間も増やさないといけない。90分守ったところでいずれはやられると思うので、その状況判断は前線の選手には特に上手くしてもらいたい」

 攻撃を繰り出す時、後方の選手たちからのフィードの質も重要になる。「一番ベストなのは、もちろん奪って一本のパスでゴール前に行き、GKと1対1の状況を作る、GKと1対2の状況を作ること。でも、サッカーはそんなに簡単ではない。ボールを奪った時にどこが空いているかは、全員で共通認識を持っておくべき。そういうところも含めて準備ができていると思う。あとは試合のなかで、いかに冷静でいられるか」と、ドイツとの初戦に力を込めた。

 現在、プレミアリーグで戦う冨安だが、W杯は初の舞台となる。「平常心で臨めるようにしたい。W杯に限らず、日本代表のユニフォームを戦うだけで勝手にモチベーションは上がるので、そこを上手くコントロールしたい。勝手に上がるので、高めすぎずくらいでやりたい」と、気持ちをセーブしていることを明かした。(FOOTBALL ZONE特派・河合 拓 / Taku Kawai)