ワールドカップ初ゴールを決めたマンチェスター・シティのイングランド代表MFジャック・グリーリッシュが、自身の大ファンである少年との約束を果たした。

【動画】少年と約束したダンスのくだりは4分50秒~

56年ぶり2度目の優勝を目指す前回大会4位のイングランドは、21日に行われたグループB第1節のイラン代表戦を6-2で圧勝した。

その試合で途中出場したグリーリッシュは、試合終盤の89分に右サイドで背後へ抜け出したFWカラム・ウィルソンからの折り返しを冷静にワンタッチで流し込み、トドメを刺すチーム6点目を記録した。

このゴール後にグリーリッシュはチームメイトと祝福を交わした後、イギリス『BBC』の中継カメラの前で普段のゴールセレブレーションでは見せていないダンスを披露。そして、そのダンスを披露した背景には1人の少年ファンとの約束があった。

グリーリッシュは今大会前にプレミアリーグのファンとの交流企画で、自身の大ファンである11歳のフィンレイくんから心温まる手紙を受け取った。

脳性まひを患っているフィンレイくんは、グリーリッシュの圧倒的なボールスキルを持つフットボーラーとしての才能に加え、自身と同じ脳性まひを患う妹のホリーさんを献身的に支える同選手の人柄から大ファンになっていた。

その後、サイン入りのユニフォームと共に手紙の返事を送ったグリーリッシュは、さらにシティのトレーニング施設にフィンレイくんを招待し、直接交流の場を持つというサプライズを行っていた。

その際、グリーリッシュはW杯でゴールを決めた際に親愛の印としてフィンレイくんが望むセレブレーションを行うことを提案していた。

「何をしてほしい?」とのグリーリッシュの問いに対して、フェンレイくんは「ワーム(イモムシの動き)」と返答。これに対して、同選手は「ワームはできないよ、ケガをするかもしれないからね」と笑いながら拒否した。

その後、両者は話し合いの末にダンスをすることで妥協点を見いだし、「今度、得点したときには君のために踊るよ。約束するよ。でも、得点しないといけないんだ。頑張るよ」と、男の約束をかわしていた。

そして、グリーリッシュは今回のその約束をきっちり守って自身のW杯初ゴールの直後に前述のダンスを行った。

フェンレイくんとのやり取りの際には今季ここまで1点しか決めていないことを強調し、かつ代表チームでは24試合1ゴールと目立った数字を残せていなかったが、即座に約束を果たすあたりがスーパースターの所以。また、大舞台での緊張を考えれば、約束を失念してしまう可能性もあったが、同選手の誠実さが際立つ出来事となった。

【動画】少年と約束したダンスのくだりは4分50秒~