アルゼンチン代表は22日、FIFAワールドカップカタール2022・グループC第1節でサウジアラビア代表に1-2と逆転負けを喫した。ワールドカップの試合で前半をリードして終えながら逆転負けを喫するのは、92年ぶりのことだという。

 36戦無敗をキープし、大会前から“優勝候補”の呼び声が高かったアルゼンチン代表は、今大会の初陣でサウジアラビア代表と対戦。試合は序盤に獲得したPKを“エース”のリオネル・メッシが決めて、アルゼンチンが幸先良く先手を取った。しかし、その後はサウジアラビアのコンパクトな陣形とハイラインに苦しむことに。メッシとラウタロ・マルティネスがゴールネットを揺らしたが、いずれもオフサイドの判定で得点は認められず、1点をリードしてハーフタイムに突入した。

 後半はアルゼンチン代表にとって“悪夢”の展開。48分にサレー・アル・シェフリの同点ゴールを許すと、53分にはサレム・アル・ドサリにコントロールショットを決められ、まさかの逆転を許したのだ。フリアン・アルバレスなど攻撃的な選手を投入して同点を目指したアルゼンチン代表だったが、PK以外で得点は挙げられず。試合はこのままタイムアップを迎えた。

 前半は1-0とリードし、サウジアラビア代表に決定的なチャンスをほとんど与えなかったが、最終的逆転負けを喫したアルゼンチン代表。データサイト『Opta』によると、これまでのワールドカップにおいて、アルゼンチン代表がリードして前半を終えながらも逆転で試合に敗れるのは、1930年のウルグアイ大会以来のことだという。ワールドカップの“初回大会”としても知られているウルグアイ大会では、決勝戦でアルゼンチン代表と開催国のウルグアイ代表が激突。前半を2-1とリードして終えたアルゼンチン代表だったが、後半の3失点で最終的には2-4と敗北。“初代王者”の座をウルグアイ代表に譲っていた。

 記念すべき第1回大会以降、アルゼンチン代表は今回が実に18度目のワールドカップ出場。途中には不参加の時期や予選敗退もあった中、21大会ぶりに“屈辱の”逆転負けを喫することとなってしまった。

 なお、ワールドカップでは、初戦で敗れたチームのグループステージ突破率が「10.9%」となっている。メッシやアンヘル・ディ・マリアにとって最後のワールドカップはまさかの黒星スタートとなってしまったが、アルゼンチン代表はここから巻き返しを図り、優勝への道のりを歩むことはできるのだろうか。注目の第2節メキシコ代表戦は、日本時間26日の28:00(現地時間22:00)にキックオフ予定だ。

【動画】グループC 第1節 アルゼンチン vs サウジアラビア