サッカー日本代表は23日、カタールワールドカップのグループステージ初戦でドイツ代表と対戦する。

 22日の前日練習を終えて取材に応じたMF久保建英は「やれることはやったので、(ドイツ戦まで)あと24時間を切っていますけど、チームでも個人でもいい準備をして、誰が出ても最善の結果を残せるようにしたいと思っています」と決意を述べた。

 準備は万端だ。森保一監督は試合4日前から練習を非公開にし、これまで以上に多くの時間を戦術の確認に割いた。日本代表がドイツ代表と対峙してどんな戦いを見せるかは蓋を開けてみなければわからないが、「守りに入ると、どうしても押し込まれてしまうと思うので、できるなら攻めていく姿勢を取ることが大事」だと久保は語る。

「ゼロで守って1点取れば勝てるので、できるだけ長い時間0-0で。前半なんか本当に0-0でも全然いいと思いますし、相手の方が先に焦れてくると思うので、そういった展開が好ましいですね」

 参考材料になるのは、22日に行われた試合でサウジアラビア代表が見せた戦いだ。アルゼンチン代表と対戦したサウジアラビア代表は、早い時間帯にPKで先制されながら、後半の頭に立て続けの2得点で逆転すると、そのまま歴史的な大金星をつかみ取った。

 FWラウタロ・マルティネスの得点が非常に際どいオフサイドによって認められず、アルゼンチン代表が動揺したこともプラスに働いただろう。しかし、陣形全体をコンパクトに保って強気の戦いを披露し、シュート3本でゴールネットを2度も揺らしたサウジアラビア代表の勝ち方は、日本代表にとってドイツ代表戦の勝ちパターンにもなりうる。

 その試合を見ていたという久保は、「しっかり(展開を)読んで状況に応じて引いたりもしていましたけど、引き切ることなく、ディフェンスラインも思ったより高くて、結果、2-1で勝っている。彼らからしたら文句ない勝利だと思います」とサウジアラビア代表の戦いに感銘を受けたようだ。

 背番号11を託されたチーム最年少アタッカーは、タフなせめぎ合いが予想される中で「1対1の勝負では負けたくないし、そこで自分が1人かわせれば数的優位を作れる」と分析している。「開幕戦からチームの助けになれるなら、それ以上のことはない」と、あくまでチームのために走り、戦う姿勢を示した。

「チャンスをもらえたら仕掛けていきたいと思いますし、僕には彼らと違って失うものはない。彼ら(ドイツ代表)に比べたらプレッシャーも少ないと思うので、そういうところもアドバンテージとして考えていきたいです」

 極めて数が限られるであろうチャンスは絶対に無駄にしない。「出ない人の分の気持ちも背負わないといけないと思いますし、逆に(先発で)出ない場合はいつ出てもいい準備をしておきたい」と、久保は自身初のワールドカップの舞台でどうにかして爪痕を残そうと燃えている。

「格上を相手にいい戦いをしたい」と意気込む21歳は、日本代表に勝ち点3をもたらせるだろうか。いよいよ決戦の時が来た。

(取材:元川悦子、文・構成:編集部)

英国人が見たサッカー日本代表対カナダ戦「久保建英の意図は…」「ドイツ戦の1トップは…」
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