サッカー日本代表は23日、カタールワールドカップのグループステージ初戦でドイツ代表と対戦する。

　チーム合流直後から左ふくらはぎの違和感で別メニュー調整を続けていたMF守田英正は、大事な初戦に出場できるのだろうか。本人曰く、22日の前日練習は「全部やった」という。復帰のめどが立ちつつあるのは間違いない。

　ただ、不安がないわけではない。1週間近くチーム練習に参加できず、「2、3日でマックスには持っていけない」心肺機能の回復具合には懸念が残っている。ワールドカップ前にテストマッチをこなせず、ぶっつけ本番になることで「試合が90分ある中で、どこまでできるのか。それがわからない」と明かす。

　フル出場が難しくとも、守田がピッチに立てれば日本代表にとって大きな後押しになる。劣勢に立たされる時間帯が長くなると予想される試合で、中盤に強度と推進力をもたらせる貴重な存在だ。

　もし出場した場合、ドイツ代表相手にどんなプレーを見せようとしているのか。守田は「ボールを落ちつかせたり、守備で戦ったり、普段の自分を出せればいいんじゃないか」と述べ、ボランチとしての役割を次のように解説する。

「確率的に押し込まれることの方が高くなると予想しています。もしかしたら1試合の中で、2本か3本しかシュートを打てないかもしれない。なので、できるだけシュートで終わることは意識したい。かといって奪った後に縦に急ぎすぎてもボール失ってしまうとキツいので、そこの調整は僕の役割の1つでもあると思います」

　多くの選手がボールを奪った後に相手のプレスにハマって簡単に失わないことや、ボールを失った後に陣形をコンパクトに保って相手の選択肢を制限することの重要性に言及していた。それらを中央でコントロールするのが、守田の仕事になるだろう。

　ドイツ代表のビルドアップに制限をかけるにあたっては「ディフェンスラインの選手に（ボールを）多く持たれることは仕方ない」と述べ、「距離感的にはボランチの（ヨシュア・）キミッヒだったりをフリーにさせたら背後を突かれるので、そこはいかにフォワードといい距離を保ちながらマークを受け渡せるかだと思う」と守備組織構築にあたって重視するポイントを説いた。

　報道陣も別メニュー調整が続いていた守田の動向をつぶさに追い、大事なワールドカップの初戦に出場できるかどうか気を揉んできた。日本代表について語る際も「守田が出られるかどうか」は、ドイツ代表戦について議論する際の大きなポイントになっていただろう。

　中心選手として期待や注目を集めることに対して「本当に光栄なこと」と語る守田は「僕も自分のことをそれだけの選手だと思っているので、期待してもらって結構。それをちゃんと結果で返せるようにしたい」と言葉に力を込めた。

　果たしてグループステージ初戦に限りなく100％に近い状態で出場できるのか。日本代表が挑む歴史的な大一番、ドイツ代表戦は日本時間23日22時キックオフ予定となっている。

（取材・文：舩木渉）

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