ドイツ戦からは複数の変更を予想、左SBは伊藤を置いて3バックへ備える可能性も

 森保一監督の率いる日本代表は、カタール・ワールドカップ(W杯)の第2戦でコスタリカ代表と対戦する。初戦でドイツ代表を相手に2-1の逆転勝利を収めた日本は、この試合に勝ち、現地時間22時(日本時間28日4時)のスペイン代表とドイツ代表の結果次第では決勝ラウンド進出を決めることができる。

 注目されるのは、この試合の出場メンバーだ。森保一監督は、前日会見のなかでコスタリカ戦の先発メンバーについて、「軸となるところはコスタリカ戦に勝利するためのベストメンバーを選ぶこと」と言い、「試合の中で、状況に応じて交代策を考えることの軸は変わらない」と対コスタリカに向けたメンバーを選抜すると語っている。すでにDF酒井宏樹(浦和)の欠場が確実となっているなかで、ドイツ戦からは複数の変更が見られるだろう。

 GKに関しては、初戦のマン・オブ・ザ・マッチに選出されたGK権田修一(清水エスパルス)を代えることはできないだろう。アジア2次予選、最終予選と森保ジャパンのゴールを守ってきた守護神に対する森保監督からの信頼も厚い。

 酒井が不在となる最終ラインの右には、DF山根視来(川崎フロンターレ)が入る見込みだ。本人も初出場への強い意欲を語るとともに、非常に具体的なコスタリカ対策を口にしていた。予想が難しいのがセンターバックだ。軸であるDF吉田麻也(シャルケ)とDF板倉滉(ボルシアMG)の2人をそのまま使いたいところ。ただし、板倉には負傷後初の90分のゲームをやったばかりという不安もある。本人は連続出場にも支障はない様子だったが、DF谷口彰悟(川崎フロンターレ)と吉田のペアもあり得そうだ。

 左サイドバックも予想が難しい。DF長友佑都(FC東京)の連続出場が基本線だが、仮に右サイドで山根が相手に翻弄されるようなことがあれば、長友を右に回す必要が出てくる。DF伊藤洋輝(シュツットガルト)を左に置き、3バックへの変更が必要になった際にも備えるのが得策かもしれない。

 中盤の底には、9月の欧州遠征でレギュラーになったと見られたMF遠藤航(シュツットガルト)と、左ふくらはぎの違和感で出遅れていたMF守田英正(スポルティング)を予想する。全体練習への合流が遅れた守田だが、代表合流直前まで所属クラブで試合に出ていたこともあり、試合勘を取り戻すのにはそれほど時間はかからないだろう。ここで一度、可能な限り試合に使い、コンディションを上げさせたい。

 2列目には、直近の試合で結果を出している2人を左右に置く。1人目の右サイドには、初戦のドイツ戦で同点ゴールを挙げたMF堂安律(フライブルク)。2人目の左サイドには、カナダ戦(1-2)でゴールを挙げているMF相馬勇紀(名古屋)。守備でも戦え、上下動のハードワークができる2人は、対コスタリカに向いていると言える。トップ下には、チームの軸になりつつあるMF鎌田大地(フランクフルト)を据える。

 勝利が必要なコスタリカは、前半から前に出てくることが予想される。その時に、最前線で基準点を作れる選手であるFW上田綺世(セルクル・ブルージュ)を送り出しておきたい。上田の代表初ゴールに期待したいところだが、仮に点が取れなくても、日本のプランがハマり、前に出てくる相手にゴールを決められないまま時間を進められれば、後半には相手が消耗して間延びする可能性がある。その時にFW前田大然(セルティック)やFW浅野拓磨(ボーフム)といったスピードのあるアタッカーを投入して、仕留めにいくことも狙える。

 この試合に日本が勝てば、ドイツには更なるプレッシャーがかかることになる。また、スペインも第2節のうちに1次ラウンド突破を決めたいという狙いが明確になるだろう。先に試合ができるということは、日本にとっては勝利に徹することができるということでもある。開幕2連勝を目指す戦いに、森保監督は誰を送り出すだろうか。(FOOTBALL ZONE特派・河合 拓 / Taku Kawai)