[カタールW杯・グループステージ第1戦]日本代表 2-1 ドイツ代表/11月23日/ハリファ国際スタジアム
 
 ドイツ代表を撃破する歴史的な勝利を収めた日本代表のミックスゾーン(取材エリア)は、当然ながら興奮に満ちていた。
 
 57分から途中出場して83分に決勝ゴールを決めた浅野拓磨が記者陣の前で話をしていると、後ろから長友佑都がハイテンションで乱入。長友が「ブラーボ!ナイース!ブラーボ!ナイース!」と言いながら浅野を熱く抱きしめた。
 
 これで大笑いした後、その前に多くを語っていた浅野が、「今日はもういいですか?帰って休みたいです」とミックスゾーンを去ろうとすると、長友に「今日のお前はスターなんだからもっと喋れ!」と突っ込まれた。
 
 その長友は自身のメディア対応でも、喜びを隠さなかった。W杯出場4回目と森保ジャパンで最も経験豊富な男にとっても、ドイツ戦の勝利は格別だったという。
 
「いや、もう今回は痺れたね。ベンチで喜ぶどころか血が上りすぎて倒れそうになって。そのくらい格別。今までで一番嬉しいです。最高のチームですもん。大きなことを成し遂げた」
 
 さらに長友は、ドーハ合宿の初日から自身が率先して発信し続けた“熱量”の大事さを強調した。
 
「比べる必要はないと思うけど、日本とドイツのベンチの雰囲気って全然違ったと思う。日本は本当にみんな一緒に戦っていた。感動するレベルですよ。僕はずっと、みんなが心を一つにして戦うことが大事だって言ってきたけど、それはこういうことなんですよ。これまでのチームで一番に一体感がある」
 
 世紀の勝利の裏側には、熱量に裏打ちされたチームの一体感があった。
 
取材・文●白鳥大知(サッカーダイジェスト特派)