日本代表はカタール・ワールドカップの初戦で、ドイツに2-1で逆転勝ちした。

 日本は、耐えに耐えた前半が0-1で終わり、1点ビハインドで勝負に出ないといけなくなった。そのため、3バックに変更して三笘や浅野、堂安、南野を投入した。システムを変更した森保監督の決断は良かったね。

 前半は守備に追われた前田らが疲れ切っていたが、日本がフレッシュな選手を次々に投入した効果で、後半はドイツに疲れが見えてきた。

 日本は、レベルの差がある時にふさわしい戦い方ができて、作戦が上手くハマッて勝てた。後ろはしっかり守って、攻撃ではスピードのある三笘や浅野を活かした戦い方だった。

 また、後半の権田のスーパーセーブが大きかった。2点差や3点差になってもおかしくなかったなかで、ことごとくピンチを防いだ。追加点を奪われれば逆転は難しかっただろう。同点ゴールを決めた堂安はよく詰めていたし、2点目を決めた浅野は角度のない位置からよく決めた。共に、少ないチャンスをよくモノにした。ただ、今日のMVPは権田だね。
 
 一方、ドイツは先制後にペースを落としていた。攻め疲れがあったのか、流れるようなプレーが少なくなり、ボールを足もとでつなぐサッカーになっていた。ドリブルの仕掛けが少なく、パスサッカーになったために、日本は何とか耐えられた。

 さらに、1-0の後半にギュンドアンのシュートがゴールポストに直撃するなど、ツキがなかった。ドイツにとっては、攻撃の主軸のザネが欠場したのも響いたかもしれない。

 日本にとって大きな一勝だけど、次のコスタリカ戦を落としたら意味が無くなってしまう。もし負けてしまったら、せっかくの金星がプラスマイナス0になってしまう。ドイツがコスタリカに勝つと考えると、グループステージ突破にはあと勝点3が欲しいところだ。

 ドイツに勝ったからと言って油断はできないから、今日と同じ気持ちで臨んでほしい。それでも、コスタリカはドイツよりは力は少し落ちる。日本は、引いて守ってから攻めるのか、最初から攻めていくのか、それも楽しみの一つだね。

【著者プロフィール】
セルジオ越後(せるじお・えちご)/1945年7月28日生まれ、77歳。ブラジル・サンパウロ出身。日系ブラジル人。ブラジルではコリンチャンスやパウリスタなどでプレー。1972年に来日し、日本では藤和不動産サッカー部(現・湘南ベルマーレ)で活躍した。引退後は「さわやかサッカー教室」で全国を回り、サッカーの普及に努める。現在は解説者として、歯に衣着せぬ物言いで日本サッカーを鋭く斬る。

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