11月23日に行われた「FIFA ワールドカップ カタール 2022」のグループEで、日本代表は優勝候補の一角と言われる強豪ドイツ代表を相手に2-1で逆転勝利、世界中に衝撃を与えた。前半にPKで失点し一方的に攻め込まれたが、後半には交代して入った選手が次々に活躍して2点を取り逆転。スタジアムの大歓声を受け、日本のファンも熱狂した。元日本代表MFの石川直宏氏は「フォーメーションとメンバーの変更で得点が生まれました」と勝因を指摘した。

【映像】日本代表の勝因を振り返る石川直宏氏

 日本代表とドイツ代表は、試合開始時のフォーメーションが同じ「4-2-3-1」。鏡のようであることから「ミラーゲーム」とも呼ばれている。開始早々は日本の守備がうまく機能したが、ここからドイツは少しずつポジションを変更し、日本の守備にずれを生じさせた。石川氏は「日本の守備がはまらないようにプレスを軽減したことで、日本は全体的に下がらざるを得なくなって、押し込まれました」と、ずるずると守備のラインを下げられたという。その結果、GK権田修一がペナルティーエリア内でファウルを犯し33分にPKで1点を献上。その後も攻め立てられると「前半を見ていて、この戦い方をどのように変えるのか。前半の途中で(フォーメーションを)変えてもいいと思いましたが、あえて耐えて後半戦に変えました」と、森保一監督があえて我慢をする選択をしたのではと解説した。

 耐えに耐えた前半戦から、後半戦は次々と新戦力を投入。同時に最終ラインを4人から3人に変更し、両サイドからドイツ代表に対してプレッシャーを与えることに成功すると、左サイドから生まれたチャンスから、最後は途中交代で入った堂安律が同点ゴール。さらに続いて右サイドを長い縦パスを受けた浅野拓磨が1人で持ち込んで、ニア上に豪快に蹴り込んで勝ち越した。石川氏はドイツ・ブンデスリーガでプレーしている選手が多い点にも注目し「世界基準で常にトレーニング、ゲームをしていますし、情報もドイツでやっている選手がコミュニケーションを取りながら準備をしたと思います」と、日々の経験が活きたとした。

 日本代表の次戦は27日に行われるコスタリカ代表戦。スペイン代表には0-7と完敗したが、もともとは堅守で知られるチームで、ブラジル大会ではベスト8にも進出した。「コスタリカは1勝しないと予選敗退が決まるので、かなり積極的に来ると思います。日本はボールを持っていながらも受け身になると相手のプレスにはまってしまうので、かいくぐるには裏のスペースを意識してアクションすることです」と、選手もボールも動かし続けることが重要だと語ると、キーマンには前田大然や伊東純也らを挙げ「裏を抜けられる選手がキーになる」と得点を期待していた。
(『ABEMA Morning』より)