互角以上の戦いを見せた前半

MATCH 14 グループH 第1節 
2022年11月23日16:00キックオフ(会場:エデュケーション・シティ・スタジアム)
ウルグアイ 0-0 韓国

グループHの初戦では、早くもこの大会3度目の南米VSアジアが実現。将来を嘱望される若手、成長著しい中堅、経験豊富なベテランのバランスが非常に優れたウルグアイ代表と、アジア屈指の攻撃陣を揃える韓国代表が激突した。この試合のキーは、やはりルイス・スアレス(ウルグアイ)とソン・フンミン(韓国)の新旧プレミアリーグ得点王対決か。

韓国ボールでキックオフされた試合は、スタートから両チームともに球際で激しいコンタクトを見せ、初戦へかける強い思いが感じられる。特に韓国は、アルゼンチンを撃破したサウジアラビア、ドイツ代表を撃破した日本の“ジャイキリ”に刺激を受けてか、長短のパスや左右の揺さぶりをうまく使いながら序盤から積極的に仕掛ける姿勢を見せていた。そのため、序盤はウルグアイも勢いのある韓国に対応せざるを得ない状況だった。

ただ、20分を経過したころにはウルグアイも韓国の勢いに慣れてきたのか、囲い込んでボールを奪取するシーンが増えていき、ボールを握る時間も長くなっていく。その結果、徐々に前がかりとなり、韓国陣内でのプレイが増えていく。27分には素早いカウンターからオリベラがペナルティエリア付近までボールを運びチャンスを迎えたが、ラストパスが少々長くなり、シュートまで行くことはできなかった。

30分以降は、完全に五分五分の展開。韓国が34分に右サイドを起点とした攻撃からファン・ウィジョが決定機を迎えれば、ウルグアイも前半終了間際に右CKからディエゴ・ゴディンがポスト直撃の惜しいシュートを放った。ただ、ゴールネットが揺れることなはく、スコアレスでハーフタイムを迎えている。前評判はウルグアイの方が高かったかもしれないが、韓国が終始奮闘し「互角の前半」。むしろ韓国が南米の強豪ウルグアイを相手に「互角以上の戦いを見せた」と言っていいかもしれない。

[W杯マッチ14]間違いなくアジアのレベルは上がっている 韓国、強豪ウルグアイと真っ向勝負で痛み分け
この試合では不発に終わったが、やはりソン・フンミンにかかる期待は大きい photo/Getty Images

一歩も引けを取らない「肉弾戦」

後半に入っても集中力を切らさず、一進一退の攻防を見せる両チーム。そんな中、先に動いたのはウルグアイだ。64分、スアレスに代わってもうひとりの経験豊富なストライカーであるエディンソン・カバーニを投入し、均衡を崩しにかかる。そして、ややウルグアイにペースが傾き始めるが、韓国も74分に負けじと一挙3枚替えを敢行。Kリーグ得点王チョ・ギュソンや至宝イ・ガンインらを投入し、ウルグアイに主導権を握らせない。

その後は、フェデリコ・バルベルデ(ウルグアイ)やソン・フンミン(韓国)のミドルシュートなど、惜しいシーンは双方にいくつかあったが、最後まで均衡は破れることなく、0-0のスコアレスドローで試合終了のホイッスルを迎えている。試合終盤から試合終了後にかけて、足を引きずったり、ピッチに倒れ込んだりする選手が多く目立ち、この試合がいかに激しく、ハードであったかを物語っているようであった。

一昔前までは、南米や欧州の強豪国相手に完全に引いて守る姿が身だったアジア勢。しかし、韓国はこの試合で強豪ウルグアイを相手に真っ向から立ち向かった。球際での競り合い、相手との駆け引き、フィジカルでも全く引を取らない。アルゼンチン×サウジアラビア、ドイツ×日本に続いて、このウルグアイ×韓国で、アジアのレベルもしっかりと上がっていることを世界に証明できたのではないか。

[W杯マッチ14]間違いなくアジアのレベルは上がっている 韓国、強豪ウルグアイと真っ向勝負で痛み分け
バチバチやり合い、肉弾戦のような試合だった photo/Getty Images

[スコア]
ウルグアイ 0-0 韓国

[得点者]
なし

[ポゼッション]
ウルグアイ47% 韓国37% 中立16%

[シュート数]
ウルグアイ10本  韓国6本

[枠内シュート]
ウルグアイ0本  韓国0本

[イエローカード]
ウルグアイ 1枚
57分 マルティン・カセレス

韓国 1枚
88分 チョ・ギュソン

[ラインナップ]
ウルグアイ
フォーメーション:[4-3-3]

監督:ディエゴ・アロンソ

GK
セルジオ・ロシェ(ナシオナル)

DF
ホセ・マリア・ヒメネス(アトレティコ・マドリード/スペイン)
ディエゴ・ゴディン(ベレス・サルスフィエルド/アルゼンチン)
マティアス・オリベラ(ナポリ/イタリア)
マルティン・カセレス(LAギャラクシー/アメリカ)

MF
マティアス・ベシーノ(ラツィオ/イタリア)
ロドリゴ・ベンタンクール(トッテナム/イングランド)
フェデリコ・バルベルデ(レアル・マドリード/スペイン)

FW
ファクンド・ペリストリ(マンチェスター・U /イングランド)
ルイス・スアレス(ナシオナル)
ダルウィン・ヌニェス(リヴァプール/イングランド)


交代出場
64分 スアレス→エディンソン・カバーニ(バレンシア/スペイン)
79分 ベシーノ→ニコラス・デ・ラ・クルス(リーベル・プレート/アルゼンチン)
79分 オリベラ→マティアス・ビーニャ(ローマ/イタリア)
88分 ペリストリ→ギジェルモ・バレラ(フラメンゴ/ブラジル)


韓国
フォーメーション:[4-3-3]

監督:パウロ・ベント

GK
キム・スンギュ(アル・シャバブ/サウジアラビア)

DF
キム・ジンス(全北現代)
キム・ミンジェ(ナポリ/イタリア)
キム・ムンファン(全北現代)
キム・ヨングォン(蔚山現代)

MF
チョン・ウヨン(フライブルク/ドイツ)
ファン・インボム(オリンピアコス/ギリシャ)
ソン・フンミン(トッテナム/イングランド)
イ・ジェソン(マインツ/ドイツ)
ナ・サンホ(FCソウル)

FW
ファン・ウィジョ(オリンピアコス/ギリシャ)

交代出場
74分 ファン・ウィジョ→チョ・ギュソン(全北現代モータース)
74分 イ・ジェソン→ソン・ジュンホ(山東泰山/中国)
74分 ナ・サンホ→イ・ガンイン(マジョルカ/スペイン)