個でも世界と渡り合える
日本は組織力が高いが、個が物足りないというのが以前までの評価だった。しかし多くの選手が海外のクラブでプレイするようになり、冨安健洋のようなプレミアリーグのBIG6の一角であるアーセナルで先発級の地位を確立する選手も出てきた。
日本が勝利したドイツ戦は組織力よりも個での破壊力が際立った試合となった。オープンな展開になった後半が分かりやすく、途中投入の三笘薫は左サイドからチャンスを生み出して堂安律の同点ゴールの起点となった。
中盤にも圧倒的なパフォーマンスを披露した選手がおり、それが遠藤航だ。ブンデスリーガのシュツットガルトでプレイする中盤戦士で、クラブではキャプテンを務める。日本代表でもクラブと同様にキーマンであり、中盤の構成は遠藤なくしては成り立たない。
そんな遠藤の強みは球際の強度であり、ブンデスでデュエル王の称号を獲得したほどだ。ボールを刈り取る能力に長けており、そこからの展開力、ドリブルでボールを運ぶ推進力がある。
ドイツ戦では遠藤の強みが発揮された。印象的だったのは72分の場面で遠藤は複数のドイツDFに囲まれたが、その球際の強さを発揮しファウルを貰って日本ボールにしている。後半負けている苦しい場面だったが、日本のファイターが中盤で闘志を見せた。
データサイト『SofaScore』によると、遠藤はドイツ戦の1試合で9回のデュエル勝利数を記録している。これは全体で2位の数字であり、今後も伸びることになるだろう。グループステージ3試合目のスペイン戦もドイツ戦同様に終盤はオープンな展開になることが予想される。そこでは遠藤の力強さが必要であり、FIFAワールドカップでの2大会連続決勝トーナメント進出を達成するためには欠かせない存在である。