現地時間11月24日、カタール・ワールドカップ(W杯)グループステージ(G組)第1戦で、ブラジルはセルビアと対戦し、2-0で快勝を収めた。その全得点を叩き出し、勝利の立役者となったのがCFで先発したリシャルリソンだ。

 まずは62分、ヴィニシウス・ジュニオールのシュートのこぼれ球を押し込み、待望の先制点をもたらすと、圧巻だったのが73分の追加点。トラップがやや大きくなったのかボールが上がると、なんと空中で身体を反転させながらボレーで、ゴール左隅に突き刺さした。
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 振り返ってみれば、東京五輪で得点王に輝いた25歳は、W杯でもエースのネイマールらと共に、中心の選手の1人として期待されながら、10月中旬に左ふくらはぎを負傷。一時はメンバー入りが危ぶまれたが、何とか大舞台に間に合わせた。

 ブラジルサッカー連盟によれば、故障から復帰し、鮮烈なW杯デビューを飾ったリシャルリソンは、「数週間前、僕はまだここに来ることを疑って泣いていた」と明かしている。
 
「検査当日は、人生で最も長い1日だった。ストレッチャーに乗ったまま結果が出るのを待ち、医師が行ったり来たりして、緊張してしまい、時間が過ぎていかなかったのを覚えている。だから苦労して回復した甲斐があったよ。神様は僕の努力を見て、どれだけワールドカップに出たいかを見ていてくれたんだ」

 頼れる点取り屋はさらに、自身2点目の豪快なアクロバティック弾にも言及。カタール出発前にトリノで行なったトレーニング時のものと重なると考えているようだ。

「イタリアでのトレーニングで同じようなゴールを決めたよ。トレーニングでやって、試合でやるという感じだ。今日はボレーをする機会があり、素晴らしいショットを打てた。このまま集中して行きたいね。もっともっと頑張るよ」

 20年ぶりのW杯制覇へ――。「初戦に勝つという、とても重要なミッションを達成した。あとは第2戦を考えて、しっかり休まないと。今後、より重要な6つの試合がある」と、目をギラつかせる背番号9が、サッカー王国を力強く牽引する。

構成●サッカーダイジェストWeb編集部