自らの采配が、偉業につながった。指揮官にとって、至福のときだっただろう。
前半に先制点を許し、試合を支配されていた日本が、逆転勝利でドイツを下すことができたのは、後半からシステムを変えるという森保一監督の決断にあったという声は少なくない。
森保監督はハーフタイムに久保建英を下げ、冨安健洋を投入。最終ラインを4バックから3バックに変更し、中盤の争いの展望を変えると、次々に攻撃的選手をピッチに送り出した。
この変更でリズムを手にした日本は、途中出場の堂安律と浅野拓磨のゴールで試合をひっくり返し、世界を驚かせた勝利を収めている。
『SussexWorld』によると、元スコットランド代表のレジェンド、アリー・マッコイストは「見事な交代劇だ。みんな良かった」と、森保監督の起用がすべて的中したと称賛した。
「ミトマ(三笘薫)は左サイドで攻め、アサノは本当に投入されてから生き生きとしていた。それにあの同点弾を決めた選手(堂安)もいる。最初はマヌエル・ノイアーがまた好セーブしたと思われたがね。(三笘は)左サイドで良いプレーをした。(南野拓実が)本当に素晴らしい折り返しをした。本当に見事なフィニッシュだった」
さらに、マッコイストは「なんという後半だろうか。この場に居られてありがたい。本当に楽しかった。試合を終わらせないと、こういうことがあり得るんだ」と述べている。
「正直、監督による交代がこれほど試合に影響を及ぼしたのは記憶にない。素晴らしい。監督は大きな称賛に値するよ。最もたたえられるべきは選手たちだが、采配が見事だった」
大会に至るまでは批判の声も少なくなかった森保監督だが、ドイツ撃破で世間の空気は一変した。だが、次戦で結果が出なければ、風当たりはまた厳しくなるだろう。27日のコスタリカ戦に注目だ。
構成●サッカーダイジェストWeb編集部
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