今大会で着用した背番号9は大学時代と同じ「天皇杯で躍進できた記憶があります」

 カタール・ワールドカップ(W杯)に臨む日本代表のなかで、目新しい背番号を付けている選手が何人かいる。先日、MF堂安律(フライブルク)は、今大会で背負う8番を今大会のメンバーから落選したMF原口元気(ウニオン・ベルリン)から託されたことを明かした。今回、9番を付けることになったMF三笘薫(ブライアン)も、これまでA代表では15番、18番を付けており、一桁の番号は付けていなかった。

 9番といえば、「センターフォワード」「ストライカー」「点取り屋」のイメージがあるが、三笘はサイドアタッカー。意外な番号にも見えるが、この番号は天皇杯で次々と大番狂わせを起こした筑波大時にも付けていた番号であり、さらに子供の頃から憧れのあった番号だったと、11月25日のオンライン取材で説明した。

 今大会で背負うことになった9番について、三笘は「筑波大の2年生の時には、9番を付けて天皇杯で躍進できた記憶があります。僕自身、昔からFWの選手が好きだったので、小さい頃から9番のユニフォームを着たり、9番の貯金箱を作った記憶がある。そういうことを考えると意味があったのではないかと思う」と、明かした。

 この「貯金箱」だが、「小学校くらいの時、自由研究か何かで作った。ペットボトルに穴を開けて、それに日本代表のユニフォームの絵を描いて、9番と描いていた記憶がある」と話したが、その貯金箱は「もうどこかに行きました」ということだった。

 子供の頃に憧れた、そのままのユニフォームを着て、自身初のW杯に挑んでいる三笘。本大会の背番号が9番と知らされた時も、「18番から9番に変わったからといってプレースタイルを変えようというつもりもない。9番でもサイドのプレーヤー。9番でも18番でも15番でも、得点に関わる仕事はしたい」と、番号変更がプレースタイルの変更にはつながらないと言い、「より『ストライカーだ』と思われるのは、いいことじゃないかと思う。それで『意外と攻めてこないじゃん』と思ってくれればいいなと思います」と、この背番号が相手を戸惑わせることにつながればと語った。

 初戦のドイツ戦でも、同点ゴールにつながる大事な仕事を果たした9番は、この先の戦いでも得点に絡む活躍が期待される。(FOOTBALL ZONE特派・河合 拓 / Taku Kawai)