スタンドでゴミ拾いする日本人サポーターに注目「その背景には何があるのか?」

 カタール・ワールドカップ(W杯)で日本人サポーターたちがスタンドでゴミ拾いする姿が話題を呼び、世界中から称賛の声が上がっている。インド誌「インディア・トゥデイ」では、ゴミ拾い精神の根底にある日本の生活習慣に注目し、1本の動画にまとめた。教室の掃除や新幹線の7分間清掃などを例に挙げ、「日本人は世界の模範となるべき存在だ」と称えている。

 11月23日のグループリーグ第1節でドイツと激突した日本は、MF堂安律(フライブルク)とFW浅野拓磨(ボーフム)がゴールで2-1と逆転勝利を飾り、世界に衝撃を与えた。そんな日本代表の勝利とともに脚光を浴びているのが、スタンドを清掃する日本人ファンたちだ。

 インド誌「インディア・トゥデイ」の公式ツイッターでは1本の動画をアップ。3分間の動画で、日本のゴミ拾い精神に根付く文化的な背景を紹介した。動画は「日本が試合に勝ち、そしてファンが心を掴んだ。日本がドイツを撃破したあと、ファンはお祝いするためではなく、ゴミを片付けるために残った。これは多くの人にとって驚きかもしれない。だが、日本人にとっては当たり前のことなのだ」というメッセージから始まる。

 さらに「ブラジルW杯やロシアW杯でも同じような光景が見られた。7分間の新幹線清掃も話題になった。午前8時頃、サラリーマンやショップ店員が職場の周りの道路を掃除する。その背景には何があるのだろうか?」と続き、日本の文化を紐解いていく。

「日本人の生活習慣…整理整頓は日本文化に深く根ざしている。国民自身がそうしているのだ。日本では、小学1年生から自分の教室を掃除する。教室の掃除をして、清潔さを保つことが毎日のスケジュールに組み込まれている。家庭では、親が子供に自分の物や空間を清潔に保つように教える」

 教室の清掃や家庭での教えに触れつつ、神道や仏教の精神にも言及。「日本の神道は浄化の儀式を非常に重要視している。不浄であることは、彼らにとって罪である。初めて日本を訪れた人は、日本がいかに清潔であるかということに気づく。ゴミ箱も清掃車も少ない。仏教でも清潔は重要な要素だ。掃除や料理などの日常的な作業は、精神的な修行と考えられている。瞑想となんら変わりはない」と世界に発信した。

 最後は「日本人は世界の模範となるべき存在なのだ」と締めくくられ、日本を称える内容になっている。日本代表チームのドイツ撃破だけでなく、ファンのゴミ拾いも注目を浴びており、日本文化が改めてクローズアップされていた。(FOOTBALL ZONE編集部)