日本に敗れたことでチームが一気に揺れ始めた

優勝も狙えるとの評価でFIFAワールドカップ・カタール大会へ乗り込んできたドイツ代表。しかし、23日の日本戦を落としたことでムードは最悪だ。

日本に敗れたドイツ代表で議論を呼んでいるのは、右サイドバックで先発したDFニクラス・ズーレだ。ドルトムントでも右サイドバックを担当することがあるズーレに関して、大会前はドリブルを得意とする三笘薫対策になるとの見方もあった。センターバックをこなすズーレをサイドバックとして起用することで、守備力強化の期待があったのだ。

しかし、結果的にズーレの右サイドバック起用は当たらなかった。『EuroSport』によると、元バイエルンDFホルガー・バドシュトゥバーもズーレのサイドバック起用が誤りだったと指摘する。

「ズーレを右サイドバックで起用したのは間違いだった。彼はそのポジションもこなせるが、彼はセンターバックの選手だ。中でプレイしたいとも考えている。彼はセンターバックを最も得意としており、彼が最も機能する場所だ。ワールドカップでは、クラブで常に高いレベルでプレイしているポジションを担当すべきだよ。2失点目の場面では、ズーレはオフサイドを逃したからね。そのような個々のミスは、このレベルでは致命的だよ」

途中から入ってきた三笘にも上手く対応できず、2失点目の場面では最終ラインを乱してしまった。このままズーレの右サイドバック起用を継続するのは厳しいか。

ベンチにはルーカス・クロスターマン、ティロ・ケーラーといった選手も控えているが、独『Bavarian Football Works』が注目したのはジョシュア・キミッヒの右サイドバック起用プランだ。

キミッヒは今やワールドクラスのボランチとなっているが、以前は右サイドバックもこなしていた選手だ。サイドバックでもスペシャリスト的存在で、今でもサイドバックに入れるだろう。

ただ、今回のドイツはセントラルMFをあまり多く招集していない。日本戦で先発したキミッヒ、イルカイ・ギュンドアン、途中から出てきたレオン・ゴレツカくらいだ。マインツのアントン・シュタッハのような選手を招集するのも1つの手ではあったが、代表監督ハンジ・フリックはキミッヒ、ギュンドアン、ゴレツカで十分に回せると考えたのだろうか。

結果的にはズーレの右サイドバック起用が当たらなかったことから、キミッヒを含め起用法の議論が熱を帯びている。27日にはグループ最強のライバルであるスペインとの戦いが待っており、絶対に負けられない戦いだ。日本戦からの修正が不可欠だが、ドイツはまたもグループステージで消えるのか。