【戦評】オランダはガクポが3戦連続弾 カタールは開催国で初の勝ち点0で終了

 カタール・ワールドカップ(W杯)は大会10日目を迎え、グループリーグの最終戦がスタート。グループAではオランダ代表が開催国カタール代表を破って首位通過し、セネガル代表はエクアドル代表との決戦に勝利して2位通過を勝ち取った。グループBはイングランド代表がウェールズ代表との“英国対決”を制して首位の座を手にし、アメリカ代表とイラン代表の2位争いはアメリカが制した。

■オランダ 2-0 カタール
グループA第3戦
キックオフ:現地時間11月29日18時(日本時間30日0時)

1-0 前半34分 コーディ・ガクポ(オランダ)
2-0 後半4分 フレンキー・デ・ヨング(オランダ)

 突破の確定していない状況で迎えた最終戦だけに、オランダはターンオーバーを実施せずベストに近い構成でスタート。負傷明けのエースFWメンフィス・デパイが今大会の初スタメンに入ったオランダは前半にFWコーディ・ガクポが3試合連続ゴールとなる先制弾。後半にもデパイのシュートのこぼれ球をMFフレンキー・デ・ヨングが押し込んで危なげない勝利を飾り、1位での決勝トーナメント進出を決めた。カタールはW杯の開催国として史上初の勝ち点0に終わった。

■セネガル 2-1 エクアドル
グループA第3戦
キックオフ:現地時間11月29日18時(日本時間30日0時)

1-0 前半44分 イスマイラ・サール(セネガル)
1-1 後半22分 モイセス・カイセド(エクアドル)
2-1 後半25分 カリドゥ・クリバリ(セネガル)

 引き分けならエクアドルが突破という環境でキックオフされたゲームは、前半終了間際にセネガルがPKを獲得してFWイスマイラ・サールが蹴り込んで先制した。しかし、後半22分にエクアドルはセットプレーの流れからMFモイセス・カイセドが同点弾を決めた。しかし、セネガルはわずか3分後、セットプレーのボールがファーサイドに流れたところを主将のDFカリドゥ・クリバリが蹴り込んだ。エースFWサディオ・マネの欠場も跳ねのけ、セネガルが2位で2002年日韓W杯以来の決勝トーナメント進出を果たした。

■イングランド 3-0 ウェールズ
グループB第3戦
キックオフ:現地時間11月29日22時(日本時間30日4時)

1-0 後半5分 マーカス・ラッシュフォード(イングランド)
2-0 後半6分 フィル・フォーデン(イングランド)
3-0 後半23分 マーカス・ラッシュフォード(イングランド)

 大敗しなければ突破のイングランドと、最低でも勝利しなければ可能性のないウェールズの対戦は前半からイングランドペースで進んだ。そして、後半開始直後にFWマーカス・ラッシュフォードの直接フリーキック(FK)で先制すると、直後にはMFフィル・フォーデンもゴール。ラッシュフォードはさらに追加点も奪って危なげなく勝利したイングランドが首位でのグループリーグ突破を決めた。

■アメリカ 1-0 イラン
グループB第2戦
キックオフ:現地時間11月29日22時(日本時間30日4時)

1-0 前半38分 クリスティアン・プリシッチ(アメリカ)

 勝利が必要なアメリカと、引き分けでも高い確率で突破できるイランの対戦は、その立場からも前半はアメリカが攻勢に出た。洗練されたポジショナルプレーを印象付けてきた今大会の流れそのままに前半38分、ピッチを広く使った攻撃で最後は中央へのボールにFWクリスティアン・プリシッチが飛び込んで先制。エースの大会初ゴールが貴重な1点になった。イングランドが後半早々にリードしたことで追いつけばOKになったイランが後半は猛攻を仕掛けたが、最後までアメリカが守り切って2位の座を掴んだ。

【グループ順位】オランダ、イングランドが予想通りの強さを発揮

■グループA
1位 オランダ 勝ち点7(得失点差+4)
2位 セネガル 勝ち点6(得失点差+1)
3位 エクアドル 勝ち点4(得失点差+1)
4位 カタール 勝ち点0(得失点差-6)

■グループB
1位 イングランド 勝ち点7(得失点差+7)
2位 アメリカ 勝ち点5(得失点差+1)
3位 イラン 勝ち点3(得失点差-3)
4位 ウェールズ 勝ち点1(得失点差-5)

 グループAは終わってみればオランダが無敗の突破。エクアドルには苦戦したものの、ガクポが3試合連続ゴールと大会の中でブレイクを果たす気配を見せている。決勝トーナメントでも勢いを維持できるか注目だ。セネガルは初戦でオランダに敗れたところから2連勝。特に最終のエクアドル戦では底力を見せ、前回のロシアW杯では日本代表と勝ち点から得失点差、総得点、直接対決の結果も全て並んだ後のフェアプレーポイントの差で敗退となった悔しさを晴らす結果を残した。

 グループBはイングランドが3試合で9得点と強さを見せた。FWハリー・ケインがノーゴールに終わったのは誤算だが、FWマーカス・ラッシュフォードが3得点してFWブカヨ・サカは2得点。ほかにもMFフィル・フォーデンやMFジュード・ベリンガムにもゴールが生まれいい流れにある。アメリカはしぶとくイングランドとウェールズから勝ち点1をもぎ取り、政治的な因縁も深いイラン代表との決戦も制した。負傷交代したプリシッチの状態は不安視されるが、効率的なサッカーで決勝トーナメントに臨む。(FOOTBALL ZONE編集部)