サッカー日本代表は12月1日に行われるカタールワールドカップのグループステージ第3戦・スペイン代表戦に向けた準備の真っ最中だ。

「自分たちの結果しだいで決勝トーナメントに上がれる可能性が残っている。他力ではなく、自分たちでどうにかできるチャンスなので、それはモノにできるようにしていきたいと思います」

 いまやチームに欠かせない存在となったMF鎌田大地は、グループステージ突破がかかる大一番に向けた決意を語った。しかし、不安がないわけではない。

 所属するアイントラハト・フランクフルトで公式戦12得点を挙げるなど絶好調で日本代表に合流したものの、自身初のワールドカップでは2試合連続で先発出場しながらゴールもアシストも記録できていない。

 27日に行われたコスタリカ代表戦では、らしくないミスを連発。鎌田本人も「今季の自分では信じられないほどイージーなミスが多かった」と悔いるほどだ。しかも「自分のコンディションが悪かったり、どこかが痛かったりというのは全くない」といい、パフォーマンスが振るわなかった原因を特定できていないのである。

「何なんですかね。僕も考えましたけど、正直、わからなくて。(コスタリカ代表は)僕の今のレベルで通用しない相手ではないと思うし。今はそんなに考えずに次の試合を見て、また自分が良くなければ変えないとダメだろうし。この2試合(ドイツ代表戦とコスタリカ代表戦)に関しては、自分の実力が出せなかっただけだなと今は思っています」

「間違いなくコンディションはいい。スタジアムの雰囲気はUEFAチャンピオンズリーグや、昨季のUEFAヨーロッパリーグ決勝のほうが間違いなくいい。コンディションに関しては、毎週2試合、常にほとんどフルでプレーし続けてきたので問題ないと思うし、実力がすごく相手のほうが高いわけでもない。考えましたけど、(不調の原因は)特にわからなかった」

 輝けるという確信があったワールドカップで不本意なプレーが続き「2試合の自分のプレーは納得がいっていないし、自分自身に失望している」と鎌田は苦悩している。「僕自身はもっと自分ができるのはわかっているし、間違いなくできる」という自信があるのに、それがピッチ上のパフォーマンスに表れないもどかしさは想像に難くない。

 スペイン代表戦まで、練習ができるのはあと1日だけ。とにかく今は日本代表の命運がかかった一戦に、最大限のパワーを注げるよう最善の準備を続けるしかないだろう。調子が悪いことを「気にしていても何もいいことはない」と語り、鎌田は改めて大一番への決意を述べた。

「後悔するなら、何がよくなかったとか、こうすればよかったというのは、(ワールドカップが)終わってからいくらでも時間がある。その時にいろいろ考えればいい。僕は自分に対しても自信があるし、今までやってきたことに対しても自信があるので、自分を信じてやるだけかなと思います」

 完全復活を遂げた状態で鎌田がピッチに立てれば、スペイン代表に勝利する確率はグッと上がるだろう。「チームの勝利に貢献できれば、それが全て」と語る日本代表屈指のチャンスメーカーは「本当にダメだったら自分のただの実力不足。言い訳はできない」と自ら退路を断った。復調の望みが潰えたわけではない。決勝トーナメントへの道を切り開けるかどうかは、やはり自分しだいだ。

「この世界は結果が全てだと思うし、自分たちでそれをどちらにでも変えられる。他力ではなくて、自分たちが勝てば(決勝トーナメントに)上がれる。自分たちの手の中に全てがあると思います。自分は(スペイン代表に勝てる)チャンスがあると思うし、自分たちを信じてやり続けていくだけかなと思います」

(取材・文:舩木渉)

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