FIFAワールドカップカタール2022・グループC最終節が30日に行われ、サウジアラビア代表とメキシコ代表が対戦した。
ここまで1勝1敗の勝ち点「3」・得失点差「-1」の成績でグループCの3位に付けているサウジアラビア代表。この試合で勝利すれば無条件で決勝トーナメント進出が決定。また、引き分けた場合でもポーランド代表vsアルゼンチン代表の結果次第ではグループ突破の可能性がある。対するメキシコ代表はここまで1分1敗の勝ち点「1」・得失点差「-2」でグループ最下位に沈んでいる。8大会連続での決勝トーナメント進出のためには勝利が絶対条件となっている。
サウジラビア代表はポーランド代表に敗れた前節からスタメンを3人変更。前線には初戦でアルゼンチン代表を相手にゴールを奪ったサレム・アル・ドサリやサレー・アル・シェフリらが並んだ。対するメキシコ代表は前節のアルゼンチン代表戦からはスタメンを4人変更。ホルヘ・サンチェスやエドソン・アルバレスらが先発に名を連ね、最前線にはエンリ・マルティンが入った。
序盤はメキシコ代表が積極的な入りを見せる。2分、敵陣ボックス手前でボールをキープしたルイス・チャベスが左足を振り抜くも、強烈なシュートは枠の右へ。3分には味方のスルーパスに斜めのランニングで抜け出したアレクシス・ベガがボックス内中央でシュートを放ったが、タイミング良く距離を詰めたGKモハメド・アル・オワイスの好セーブに阻まれた。
メキシコ代表は細かいパス交換で攻撃の糸口を探りつつ、左右両サイドからのクロス、DFラインの背後への動き出しなど、多彩な攻撃でシュートチャンスをうかがっていく。序盤に守勢に回ったサウジアラビア代表は12分、長い距離を持ち上がったサウド・アブドゥルハミドが敵陣ボックス手前で倒され絶好の位置でFKを獲得。モハメド・カンノが直接ゴールを狙ったが、シュートは惜しくも枠の上に外れた。
攻め続けるメキシコ代表。25分にはボックス内でオルベリン・ピネダが左足を振り抜くもシュートは惜しくもGKの正面へ。27分にはチャベスからボールを受けたイルビング・ロサノが敵陣右サイド深くからゴール前に鋭いクロスを供給。ファーサイドでピネダが頭で合わせたが、カバーに入ったスルタン・アル・ガナムにブロックされ、惜しくも先制とはならなかった。
その後もメキシコ代表の攻撃が続く。何度か敵陣ボックス内でのシュートチャンスを作るも、相手DFの粘り強い守備対応に遭いゴールを奪うまでには至らない。耐える時間が続いていたサウジアラビア代表は45+6分、敵陣右サイド深くからのクロスにゴール前でアリ・アル・ハッサンが頭で合わせたが、シュートは惜しくも枠の左へ外れた。両チームともチャンスを生かしきれず、前半はこのままスコアレスで終了した。
後半開始早々に左CKを獲得したメキシコ代表。キッカーのチャベスが左足でアウトスイングのボールを入れると、ニアサイドに走り込んだセサル・モンテスが右足でゴール前へフリック。最後はマルティンが左足で流し込みゴールネットを揺らした。メキシコ代表がチームの今大会初ゴールで先制に成功する。さらに52分、ゴールから30mほどの地点でFKを獲得するとキッカーのチャベスが強烈なシュートをゴール右隅に突き刺し、一気にリードを2点に広げた。
なおも攻めるメキシコ代表。56分にはマルティンとの連携で中央を突破したロサノがボックス中央からゴール右下隅に流し込みネットを揺らしたが、こちらはオフサイドの判定。66分には再びロサノがボックス手前から強烈なシュートを放つもGKアル・オワイスが右手一本で好セーブ。72分にはチャベスが再び強烈な直接FKを放ったが、こちらもGKアル・オワイスが横っ飛びでセーブした。
メキシコの勢いに圧倒されるサウジアラビア代表は、自陣に押し込まれる時間が続く。次々と際どいシュートを放たれるものの、DF陣の体を張ったブロックとGKアル・オワイスのセーブでなんとか凌ぎ、3点目を与えない。メキシコ代表は86分にウリエル・アントゥナが巧みな抜け出しからゴールネットを揺らしたが、オフサイドの判定でゴールとはならず。
90+5分、サウジアラビアはアル・ドサリのゴールで1点を返すも反撃はここまで。試合はこのまま1-2で終了。勝ち点を伸ばせなかったサウジアラビア代表はグループ敗退が決定。また、今大会初白星を手にしたメキシコ代表は勝ち点「4」で2位のポーランド代表に並んだものの、得失点差で及ばず惜しくも3位となり8大会連続の決勝トーナメント進出を逃した。
【スコア】
サウジアラビア代表 1-2 メキシコ代表
【得点者】
0-1 47分 エンリ・マルティン
0-2 52分 ルイス・チャベス
1-2 90+5分 サレム・アル・ドサリ
【スタメン】
サウジアラビア代表(3-4-3)
GK:アル・オワイス
DF:タムバクティ、アル・アムリ、アル・ブライヒ(37分 シャラヒリ)
MF:アル・ハッサン、カンノ、アル・ガナム、アブドゥルハミド
FW:アル・ドサリ、アル・ブライカン、アル・シェフリ(62分 アル・アベド)
メキシコ代表(4-2-3-1)
GK:オチョア
DF:サンチェス(86分 K・アルバレス)、モンテス、モレノ、ガジャルド
MF:E・アルバレス(86分 フネス・モリ)、チャベス、ロサノ、ベガ(HT アントゥナ)、ピネダ(77分 ロドリゲス)
FW:マルティン(77分 ヒメネス)