メキシコを跳ね返すサウジの組織的な守備
MATCH 40 グループC 第3節
2022年11月30日 22:00キックオフ(会場:ルサイル・スタジアム)
サウジアラビア 1-2 メキシコ
グループCの最終戦は、初戦でアルゼンチン相手にジャイアントキリングを起こしたサウジアラビアが、オーストラリアに続くアジア2カ国目、7大会ぶりのGS突破を決めるかというところに注目が集まった。サウジアラビアは勝点3、メキシコは1。一方のメキシコもポーランド対アルゼンチンの結果しだいで突破の可能性がある。
試合はあとがないメキシコがまずボールを握った。2分にチャベスがオープニングシュートを放つと、直後にもベガがGKアルオワイスと1対1になるチャンスを迎える。7分にも左サイドからのクロスをアルオワイスが抑えようとしたところにマルティンが飛び込み交錯。今大会は得点が取れないメキシコだが、積極的にゴールを目指す。
サウジアラビアは12分にアブドゥルハミドが単独のドリブル突破。そこから得たFKをカンノが狙うが、ボールは落ちきらずゴールを超えていく。チャンスは多くないが、統率のとれたディフェンスでメキシコに決定的な仕事をさせない。
27分にはロサーノの右からのクロスにピネダが飛び込むが、アルオワイスが体を張って阻止。しかし、守備の要となっていたアルブライヒが負傷交代するアクシデントに見舞われ、急遽シャラヒリを投入する。その後もたびたびメキシコはサウジゴールに迫るが、サウジアラビアの選手たちは壁となってシュートを跳ね返し続ける。ATにはカンノのボールキープから決定機もつくり、0-0でハーフタイムを迎えた。
ついに攻撃陣が火を吹いたメキシコ
前半に11本のシュートを放ちながらゴールが奪えなかったメキシコ。ベガに代えてアントゥナを入れ、ロサーノが左に回ってチャンスをうかがう。すると47分、コーナーキックをニアでモンテスがフリック。そのボールに合わせてゴール中央に飛び出してきたマルティンが決め、ついにメキシコに先制点がもたらされる。
メキシコは52分にも、ゴール正面やや遠目からチャベスの強烈な直接フリーキックが豪快にネットを揺らす。勝ち上がるためになるべく多くのゴールを奪いたいメキシコは、その後も攻撃の手を緩めない。56分にはマルティンとの絡みからロサーノがまたもネットを揺らすが、これはオフサイドの判定でノーゴールとなった。
サウジアラビアも反撃に出たいがセカンドボールの多くを回収され、糸口をつかめない。67分にはロサーノの突破からシュート、70分にもマルティンのボレーが惜しくもクロスバーの上へ飛んでいった。73分にはまたしてもチャベスのフリーキックがサウジアラビアゴールを強襲。2戦目まで1点も挙げられなかったとは思えない攻撃力を見せ、メキシコがサウジアラビアを攻めたてる。
この時点で、勝点も得失点差もポーランドとまったく並んでしまっていたメキシコ。もう1点取ればGS突破が大きく近づく状況で、ついにエース格のヒメネスも投入。直後にロサーノからアントゥナとつないで大チャンスとなるも、サウジアラビアの選手たちは体を投げ出してブロックし決定的な1点をメキシコに与えない。
メキシコの選手交代直後の87分にはアントゥナがサウジアラビアゴールを破り、決定的な3点目が決まったかと思われたが、またもオフサイド。しかし7分のATに、またゲームは動いた。バヘブリとのワンツーでアルドサリが抜け出し、リターンパスを冷静にメキシコゴールに沈める。土壇場での被弾により、メキシコのGS突破の可能性はほぼ絶たれてしまい、そのままタイムアップ。ついにメキシコ攻撃陣が火を吹きサウジアラビアを破るも、両者ともにGS敗退という結果となってしまった。
[スコア]
サウジアラビア 1-2 メキシコ
[得点者]
サウジアラビア
90+5分 サレム・アルドサリ
メキシコ
47分 エンリ・マルティン
52分 ルイス・チャベス
[ポゼッション]
サウジアラビア 33% メキシコ 49% 中立18%
[シュート数]
サウジアラビア 10 メキシコ 26
[枠内シュート]
サウジアラビア 2 メキシコ 10
[イエローカード]
サウジアラビア 6枚
サレー・アルシェフリ
アリ・アルハッサン
ハッサン・アルタムバクティ
アブドゥラー・マドゥ
アブドゥレラー・アルアムリ
ハッタン・バヘブリ
メキシコ 1枚
エドソン・アルバレス
[レッドカード]
なし
[ラインナップ]
サウジアラビア
フォーメーション:[4-4-2]
監督:エルベ・ルナール
GK
モハメド・アルオワイス(アルヒラル)
DF
アブドゥレラー・アルアムリ(アルナスル)
ハッサン・アルタムバクティ(アルシャバブ)
アリ・アルブライヒ(アルヒラル)
スルタン・アルガナム(アルナスル)
MF
モハメド・カンノ(アルヒラル)
アリ・アルハッサン(アルナスル)
サウド・アブドゥルハミド(アルヒラル)
サレム・アルドサリ(アルヒラル)
FW
フィラス・アルブライカン(アルファトフ)
サレー・アルシェフリ(アルヒラル)
交代出場
37分 アリ・アルブライヒ→リヤド・シャラヒリ(アブハ)
46分 アリ・アルハッサン→アブドゥラー・マドゥ(アルナスル)
62分 サレー・アルシェフリ→アブドゥルラフマン・アルアブド(アルイテハド)
88分 スルタン・アルガナム→ハッタン・バヘブリ(アルシャバブ)
メキシコ
フォーメーション:[4-5-1]
監督:ヘラルド・マルティーノ
GK
ギジェルモ・オチョア(クラブ・アメリカ)
DF
セサル・モンテス(モンテレイ)
エクトル・モレーノ(モンテレイ)
ホルヘ・サンチェス(アヤックス/オランダ)
ヘスス・ガジャルド(モンテレイ)
MF
エドソン・アルバレス(アヤックス/オランダ)
オルベリン・ピネダ(AEKアテネ/ギリシャ)
ルイス・チャベス(パチューカ)
アレクシス・ベガ(グアダラハラ)
イルビング・ロサーノ(ナポリ/イタリア)
FW
エンリ・マルティン(クラブ・アメリカ)
交代出場
46分 アレクシス・ベガ→ウリエル・アントゥナ(クルス・アスル)
77分 エンリ・マルティン→ラウール・ヒメネス(ウォルバーハンプトン/イングランド)
77分 オルベリン・ピネダ→カルロス・ロドリゲス(クルス・アスル)
86分 ホルヘ・サンチェス→ケビン・アルバレス
86分 エドソン・アルバレス→ロヘリオ・フネス・モリ