久保建英が自らを育ててくれたスペインに勝利を収めた。12月1日、カタール・ワールドカップの第3戦で日本が2-1で逆転勝利を収めたが、久保は前半のみのプレー。悔しさをのぞかせながらも、チームの一体感を実感して、ラウンド16のクロアチア戦へ挑む。

上写真＝久保建英は前半だけで退いたが、攻撃の意志を示し続けた（写真◎Getty Images）

■2022年12月1日 カタールW杯E組（ハリーファ）
日本 2-1 スペイン
得点者：（日）堂安律、田中碧
　　　　（ス）アルバロ・モラタ

「このまま終わったらちょっと消化不良だな」

「今日は堂安選手と田中選手に感謝したいなと思います」

　久保建英は自身を育ててくれたスペインに逆転勝利を収めて、仲間に感謝した。勝利をもぎ取ったゴールを記録した堂安律と田中碧にだが、久保にとっては自分に代わって入った選手が結果を出さなければ、もやもやが残るからでもあった。

「正直言うと今日、前半は僕が一番良かったと思いますし、そういった意味で悔しいですけど、交代で入った堂安選手が決めてくれましたし、交代で入った選手が1戦目と同じように結果を出してくれたので。自分としてはこのまま終わったらちょっと消化不良だなっていうのがあったので、本当に味方を信じていました」

　一番良かった、という実感にウソはない。先発に名を連ね、3-4-2-1システムで1トップの下に構える右シャドーに入った。守備時には5-4-1に構え、右サイドハーフとして相手の進入を防いだ。

　8分には相手ミスからループパスを送り、そこから最後は伊東純也のフィニッシュに結びつけたし、12分に先制されて押し込まれたあとでも、36分に中盤で判断良く左に持ち運んだドリブルがきっかけになってパスがつながり、最後は右サイドに展開してから鎌田大地がシュートを放っている。スペインのパス回しに食いつきすぎずに、しかし奪ってから攻撃の意志を見せたのは、久保の存在があってこそだった。

　だから、45分で交代となったことは悔しかった。それでも、後半も勝利のためにベンチで戦った。

「次につながる一戦でした。あと1勝でまた日本の歴史を塗り替えるところまで来ていると思うので、いい準備をして臨みたいなと思います。やっぱりチャンスをもらえたことに、僕たち選手も含めて感謝しないといけないと思いますし、次につながる1勝ができたのは、すごくうれしいですね」

　まだ戦いが続くことの喜びだ。

「最後のところで足を投げ出したりとか、守りきって、逆転したあとの日本は強いなと思います。時間の使い方もうまいし、スタッフもみんな力になってくれますし、すごくいいチームだなと思います」

　一体感がどんどん増していく。次の相手、クロアチアもその総合力で倒していくだけだ。久保には秘策（？）がある。

「あんまり期待しないほうがいいのかもしれないですね。いままでの日本の皆さんの反応からすると。落ち着いて冷静に、いまの日本の力を出すのが一番大事なのかなと思います」

　ジョークを交えて笑わせて、クロアチアを倒すイメージを口にした。その充実のメンタルが、何よりの武器になる。

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