【専門家の目|栗原勇蔵】攻撃的なカードを次々と切る森保監督の采配は分かりやすい
森保一監督率いる日本代表(FIFAランキング24位)は、現地時間12月1日に行われたカタール・ワールドカップ(W杯)グループリーグ第3戦でスペイン代表(同7位)に2-1で勝利し、決勝トーナメント進出を果たした。元日本代表DF栗原勇蔵氏は、スタートから3バックを採用し、選手交代も的中した指揮官の采配を称えている。(取材・構成=FOOTBALL ZONE編集部)
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スペインに勝利すれば自力で決勝トーナメント進出を決められる日本は前半11分、FWアルバロ・モラタのゴールで失点し、苦しい展開となる。ハーフタイムにDF長友佑都(FC東京)に代えてMF三笘薫(ブライトン)、MF久保建英(レアル・ソシエダ)に代えてMF堂安律(フライブルク)を投入すると後半3分に堂安が同点ゴールを奪取。さらに後半6分にはMF田中碧(デュッセルドルフ)の逆転ゴールが生まれた。
スペイン戦では、過去2試合のドイツ戦、コスタリカ戦の4バックとは異なり、DF谷口彰悟(川崎フロンターレ)、DF吉田麻也(シャルケ)、DF板倉滉(ボルシアMG)を並べた3バックを採用。1トップに入ったFW前田大然(セルティック)のプレス、さらには後半の交代策もズバリ的中して勝利をもぎ取った。元日本代表DF栗原氏も、森保監督の采配に迷いがなくなったと感想を述べる。
「9月シリーズのアメリカ戦(2-0)くらいから戦術が固まったと思います。前田から浅野(拓磨)への流れも、三笘ら攻撃的な選手をガンガン入れていくというのも、分かりやすい。見ていて面白いですね」
データ分析会社「オプタ」によれば、W杯の同一大会でドイツとスペインの両国から逆転勝利を挙げたのは日本が史上初。“死の組”と言われた激戦区で、鮮やかにグループ首位通過を果たした。
「今大会まで思うように結果が出ない時期もありましたけど、欧州5大リーグでプレーする選手も増えて、日本のレベルは上がっている。普段から世界の舞台で戦っているからこそ、慌てることも少ないというか、少しずつ強豪国との差が縮まっているのかなと思います。間違いなくドイツやスペインは世界トップクラスのチーム。こういうふうに結果を残すと、この戦いを続けることができれば優勝しても不思議はないはずです」
決勝トーナメント1回戦で対戦するのはFIFAランキング12位のクロアチア。森保ジャパンがどのような戦いを見せるのか、注目が集まる。(FOOTBALL ZONE編集部)