【総評】

「今大会、初めて3バックでスタートして、前半は先制点を許し、相手の攻撃を受ける展開が続いた。後半のスタートから2枚替えで積極的に前から行く姿勢を全体で見せ、立ち上がりに2ゴール。そのあとはしっかり『5-4』のブロックを築き、スペインの猛攻に対しても決定機らしい決定機を作らせていなかった。しっかり耐え切れた見事な逆転勝利でした。

 次はクロアチア戦。僕が出場した98年のフランス大会では敗れた相手ですが、リベンジを果たして下さい!」

<先発出場>
GK
12 権田修一 7.5
「11分の失点はノーチャンスでした。それでも、受けの展開となった前半からつなぐ意識もありました。後半はヒヤッとする場面もなかったです。最後もしっかりキャッチしれくれて、安定したプレーでした」

DF
3 谷口彰悟 8 MAN OF THE MATCH
「マン・オブ・ザ・マッチに挙げたいです。ワールドカップデビューとは思えないくらい、前半から前に行く姿勢を出していたし、前半の終盤にはシュートブロックもあった。イエローカードもありましたけど、良い意味で“ワールドカップでデビューらしくない”と言えるほど、雰囲気にも物怖じしないプレーを見せてくれた。本当にゲームを通して身体を張った良い守備をしていた」

DF
22 吉田麻也 7.5
「前半はチームとして難しい展開でしたけど、後半はしっかり受けることなく前から行く姿勢を出してくれました。そのなかで最終ラインをしっかりコントロールしてくれて、最後の最後のクリア! あれは本当に『ありがとうございます!』という感じで、さすがのキャプテンシーを発揮してくれた」

DF
4 板倉 滉 7.5
「イエローカードをもらって次は出場停止ですけど、ハードなマークはグループリーグとおしてできていた。また、吉田選手と谷口選手と一緒にボールをよく跳ね返したのは大きかった」
 
DF
5 長友佑都 6.5(HT OUT)
「戦術的な理由による交代だったと思います。ニコ・ウィリアムスを完全に消していたところもあった。攻撃に行く時間もなかったなか、守備の役割はしっかり果たしてくれた」

MF
13 守田英正 7
「前半は全体的に受ける展開だったなか、少しボールに行き切れないところもありましたが、守備で役割がハッキリした後半はよりボールに行く姿勢を出し、際立ったプレーを見せた。碧選手が前から行く一方で、しっかりバランス取ってくれた。そういう気の利いたプレーをしていた」

MF
17 田中 碧 7.5(87分OUT)
「前半は全体的に苦しかったですが、後半は守田選手とのボランチコンビでスペインの良さを消していた。前から行った効果もあり、得点も決められたと思います」

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MF
14 伊東純也 7
「前半は低い位置に押し込まれていましたけど、ダニ・オルモに対してしっかり対応していた。後半の同点弾もプレスをかけてボールを引っかけたからこそ。後半は良さを出し切ったなかで、ウイングバックとしては堂安選手を上手くサポートした。シャドーに入ってからは献身的にプレスバックにも行けていた」

MF
11 久保建英 6(HT OUT)
「献身的にディフェンスに戻り、パスコースを規制し、カウンターでもよく顔を出していただけに、悔しい交代だったと思います。スペインの囲い込みの守備が早かったので、そういう局面では悔いが残ったのかなと。戦術的な理由の交代であろうことも踏まえて、限りなく6.5に近い6と評価します」

MF
15 鎌田大地 6(68分OUT)
「イライラしているように見えました。ちょっと疲れもあるのかな。やろうとしている姿勢は感じますが……。後半も守備で献身的に行ってくれたと思いますけど、らしさは出し切れなかったのかな」

FW
25 前田大然 7(62分OUT)
「前半から、前から走ってくれましたし、攻撃の起点としてボールを収める点については、キャラクターが違うので、難しさはあったと思います。でも後半の2ゴールはチェイシングが効いていたからこそ。守備の貢献で得点に関わった」
 
<途中出場>
MF
8 堂安 律 7.5(HT IN)
「あそこで足を振らないと何も始まらなかったし、結果的に同点ゴールを決めた。シャドーに入り、プレスバックも効いていた。献身性もあったし、2点目にも絡んで、勝利の立役者になった」

MF
9 三笘 薫 7.5(HT IN)
「サイドバックをやれせてもいいくらいの安定感あるディフェンスでした。攻撃でもインターセプトから前に行く姿勢、左から浅野選手に出したパスも見事にやり切ってくれた。なんといっても2ゴール目、ギリギリのところであそこまで行ける。あそこで行ってくれて折り返してくれて執念も感じました。左サイドで攻守に走ってくれた。守備もできるという本当の意味で“世界にバレた”なと」

FW
18 浅野拓磨 6.5(62分IN)
「前田選手に代わり、献身的なプレスの強度を求められたと思います。守備でボールを追ってくれたなかで、カウンターの起点にもなっただけに、三笘選手との連係からのカウンターは決め切ってほしかった。でも、何より前に行く姿勢は出して、前からよくボールを追ってくれた点を評価したいです」

DF
16 冨安健洋 7(68分IN)
「ジョルディ・アルバにも、アンス・ファティにも何もやらせなかった。ジョルディ・アルバとのよーいドンで背後を取られそうになったシーンでも、身体を入れてマイボールにした。守備では一番、落ち着いていて、『もう、大丈夫だろうな』と思いました。対応力はさすがでした。見事に右サイドに蓋をしてくれた。あとは怪我だけはしないで下さい!」

MF
6 遠藤 航 ―(87分IN)
「終盤に出場し、どっしり構えてくれて、チーム全体に落ち着き、安心感ををもたらした。ゲームをしっかり締めてくれた」

監督
森保 一 7.5
「ドイツ戦、コスタリカ戦同様、すごく積極的に動きました。後半もスペインが左サイドから攻撃的に来たなかで冨安選手を入れるなど、見事な采配をしてくれた。何よりも交代選手がまた結果を出したところ。チームに勢いをもたらしてくれた采配は素晴らしかったです」

※MAN OF THE MATCH=この試合の最優秀選手。
※採点は10点満点で「6」を及第点とし、「0.5」刻みで評価。
※出場時間が15分未満の選手は原則採点なし。

構成●サッカーダイジェスト編集部