日本対スペイン戦取材のフランス人記者エチェカハレタ氏を直撃

 日本代表は12月1日のカタール・ワールドカップ(W杯)Eグループ第3節で、スペイン代表に2-1で勝利し、グループリーグを首位通過した。W杯優勝経験のあるスペイン代表、ドイツ代表と同じグループに入ったなかで、日本が3試合を終えて首位通過すると予想した人は少なかっただろう。

 この試合を取材したAFP通信のフランス人記者・パティ・ヴリグノン・エチェカハレタ氏は、「非常に印象的な試合だった。ほとんどの人は日本が勝利すると思っていなかっただろう。ビッグサプライズだよ。世界のサッカー界にとって大きなサプライズだ」と、興奮した様子で語った。

 そして、「正直なところ、立ち上がりを見た時はビックリした。日本がこんなに守備を固めてくるとは思っていなかったからね。序盤に5バックにしていたことには驚いた」と、前半の日本の戦いぶりについて感想を述べた。「ところが、後半に入ると日本は一気に押し返した。この時、初めて日本は後半から仕掛けるプランを持っていたんだなと気づかされた。結果が出たのだから、この狙いはうまくハマったわけだよね」と、後半に勝負に出た森保一監督の采配を称えた。

 印象に残った選手については、「普段はラ・リーガを中心に取材しているから、久保建英はよく知っている。彼は質が高い選手であることは理解しているが、もっと世界的に知られるべき存在で、本当に良い選手だ。ただ、今日は守備に追われて、ボールを持ってもスペインの選手たちに警戒されていたね」と分析し「ほかの日本人は、よく知らないということを正直に告白しておくよ」と言い、選手個人よりもチームの戦いぶりが印象的だったと話した。

 日本はラウンド16でクロアチア代表と対戦する。ドイツ、スペインとはスタイルが大きく異なる相手になる。それでも、エチェカハレタ記者はチームがベスト8に進出する可能性があると感じているようだ。

「よく経験や遺産がないということが言われるけれど、少なくとも監督や選手の話を記者会見で聞いていたら、日本にはそんなことは感じない。結果がどうなるか分からないけれど、ベスト8に行けるチャンスはあると思うよ」と、コメントしている。

 通算7度目のW杯出場で、W杯優勝国を2つも破る快挙を成し遂げた森保ジャパン。2大会連続の決勝トーナメント進出は初めてだが、まだ見ぬ景色を見れる位置に辿り着くことができるだろうか。(FOOTBALL ZONE特派・河合 拓 / Taku Kawai)