“替えの利かない存在”が、仲間を信じて出番を待っていた。

 現地時間12月1日に行なわれたカタール・ワールドカップ(W杯)のグループステージ(E組)第3節で、日本はスペインに2-1で逆転勝利。E組1位となり、2大会連続で決勝トーナメントに進出した。

 日本サッカー史に残るこの試合を、遠藤航はベンチでスタートしていた。日本代表では4—2—3-1のボランチ、4-3-3のアンカーとして不動の存在だったが、コスタリカ戦(0-1)後は右膝痛で、全体練習に参加していなかった。

 試合後に取材に応じた遠藤は、現状を「7、8割」と明かし、ドクターからは「最高で45分(の出場)ならいけるかも」と言われていたという。「次は多分、ほぼほぼ100(%)に近い状態でいけるのでは」と自信を見せた。
 
 久しぶりのベンチスタートについては、ボランチとして出場した守田英正と田中碧に対して「心配していなかった。2人だったらやってくれる」、チームにも「不安は全くなかった。他の選手を信じていた」という。「1点リードくれれば俺が締める、くらいの気持ち」で、「『1点リードしたら俺に任せろ』とずっと言っていた」と振り返る。

 その思いの通り、出番は2-1で迎えた87分にやってきた。2点目をゲットした田中に代わってピッチに立つと、スペインに決定機を作らせずに試合を締めた。

 そんな遠藤は、森保ジャパンのE組首位通過を「世界を見ても、多分日本がこのグループを1位で突破するとは誰も思っていなかった。ある意味、世界を驚かせる。良い意味でのサプライズ」と胸を張る。

 次戦は初のベスト8をかけて、クロアチアと対戦する。世界屈指のMFであるルカ・モドリッチへの対策を問われると、「多分みんなが期待していることだと思う。どれだけやれるか」と対戦を楽しみにしている様子だった。

構成●サッカーダイジェストWeb編集部

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