【専門家の目|栗原勇蔵】出場停止の板倉の代役は冨安で3バック継続起用か

 森保一監督率いる日本代表(FIFAランキング24位)は現地時間12月5日、カタール・ワールドカップ(W杯)決勝トーナメント1回戦でクロアチア代表(同12位)と対戦する。「新しい景色」となるベスト8を懸けた大一番の見どころを元日本代表DF栗原勇蔵氏に訊いた。(取材・構成=FOOTBALL ZONE編集部)

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 グループリーグを2勝1敗(4得点3失点)のE組首位で通過した日本は、決勝トーナメント1回戦でMFルカ・モドリッチ擁するF組2位(1勝2分)のクロアチアと対戦。前回大会の準優勝国を倒せば、ベスト8の目標を果たすことになる。

 ドイツ代表戦(2-1)、コスタリカ代表戦(0-1)では4バックでスタートした一方、スペイン戦(2-1)ではスタートから3バックを採用。FIFAランキング7位の強豪を撃破した成功体験から、クロアチア戦でも3バック(3-4-3)を継続するだろうと元日本代表DF栗原氏は予想する。

「(3バックの一角である)板倉(滉)が累積警告による出場停止なので、そこにそのまま冨安(健洋)が入るかなと。板倉の不在はそんなに大きな問題じゃないと思います。吉田(麻也)、谷口(彰悟)、守護神の権田(修一)は変わらないと思います」

 スペイン戦では、右膝に不安を抱えるMF遠藤航(シュツットガルト)がスタメンから外れ、代わりに先発出場したMF田中碧(デュセルドルフ)が勝ち越しゴールを決める活躍を見せた。「遠藤が問題なく出場できるのなら」と断ったうえで、栗原氏はボランチと両ウイングバック(WB)に鉄板コンビを予想する。

「田中碧がスペイン戦でゴールを決めて調子は上向きだと思いますが、守備のことを考えてれば遠藤と守田の鉄板コンビでしょう。右WBは伊東、左WBは長友だと思います」

 栗原氏が「人選が難しい」と語ったのが、1トップ+2シャドーだ。スペイン戦でスタメン起用されたMF久保建英(レアル・ソシエダ)が前日練習に不在。MF鎌田大地(フランクフルト)を起用し続けるか、1トップにFW前田大然(セルティック)を入れてプレスでハメに行くかなど、ポイントが多い。栗原氏は「森保監督は鎌田と心中する覚悟な気がします。久保が使えないので、代役はスペイン戦でゴールを決めた堂安(律)ですかね」と語り、クロアチア戦で油断が生まれないように警鐘を鳴らしている。

「ドイツやスペインに比べたら……、と思ったら危険な相手。スペイン戦では(ポゼッションで)圧倒されましたけど、クロアチア戦では五分五分くらいでボールを持てるんじゃないかなと。コスタリカ戦同様、日本はブロックを作って守り、カウンターを仕掛けてくる相手が苦手。ましてや、クロアチアみたいな実力のあるチームだとかなり危険です。ボールを持って(ゴールに向かって)アタックはするけど、取られたらすぐ切り替えて、ハイプレスをかけていくことは絶対にやったほうがいい。そこがもう生命線ですね」

 今大会で采配が冴えわたる森保監督が、クロアチア戦でどのような采配を振るうのか注目だ。(FOOTBALL ZONE編集部)