サッカー日本代表が12月2日(日本時間)、FIFA ワールドカップ カタール 2022・グループEの最終戦でスペイン代表に2-1と劇的な逆転勝利を収めた。この結果で、日本はグループ首位で決勝トーナメント進出が決定。『ABEMAヒルズ』には元日本代表MFの玉田圭司氏と、2002年のワールドカップ日韓大会で日本代表のトルシエ監督の通訳を務めたスポーツキャスター、フローラン・ダバディ氏が出演。玉田氏は、スペイン戦の劇的勝利を「チーム一丸となって前に進んだことが勝因に繋がった」と代表選手を称えた。

【映像】日本代表の大激戦を語る玉田氏とダバディ氏

 日本中を“幸せな寝不足”にさせた激闘から約半日。玉田氏は、「三笘選手、堂安選手ら交代した選手の躍動によって、スタメンの選手たちも『僕たちもやらないと、ついていかないと』という気持ちにさせてくれたのが大きかったと思う。守田選手、田中選手など、若い選手たちが後半でエンジンをかけていくような伸びしろにも感動。先制された時はやはりなと思ったが、後半はすごく盛り返して、チーム一丸となって前に進むということをやったことが勝因に繋がったと思う」と総括した。

元日本代表・玉田圭司氏、スペイン戦の激闘を称賛「勝利の立役者は全員」トルシエ元監督通訳のダバディ氏は海外報道も伝える

  ダバディ氏も同様に、「またしてもジャイアントキリング。スペインは全く力を抜いていないし、全員がハングリーだった。前半は玉田さんが出場した2006年大会のブラジル戦を連想させるくらい圧倒され“圧巻のスペイン”だった。そのチームに逆転。今でも話ながら鳥肌が立つ」と熱く語った。

 日本の大躍進では海外でも大きく報道されているといい、「フランスのスポーツ紙『レキップ』では、『夕暮れ』というポエティックな見出しで伝えている。強豪のドイツが消え去るということと、“日出る国・日本”をかけた素敵な言いまわしで表現した。サッカーのことわざでは“最後にドイツが勝つ”というのがあるが、ドイツが負けたのは日本の活躍」と称賛。

元日本代表・玉田圭司氏、スペイン戦の激闘を称賛「勝利の立役者は全員」トルシエ元監督通訳のダバディ氏は海外報道も伝える

 さらに「選手たちの評価も記されているが、田中選手と吉田選手がMVPに選出されている。これは三笘選手にも通じる部分だが、若い選手たちがプレッシャーに全く動じないことと、吉田選手はコスタリカ戦から打って変わって、ディフェンスのラインを高く保てたこととブロックをコンパクトに保てたことへの評価。相当な勇気が必要なことだったと思う」と加えていた。

 玉田氏は、日本代表のグループステージの激闘を振り返り「3節とも厳しい試合だったけど、勝ち抜いたということは決勝トーナメントに繋がる。本戦進出の立役者は全員と言いたいが、ひとり挙げるなら三笘選手。スペイン戦に限らず、途中出場ながらすべての試合で流れを変えた。それがすごく大きかった」とした。

元日本代表・玉田圭司氏、スペイン戦の激闘を称賛「勝利の立役者は全員」トルシエ元監督通訳のダバディ氏は海外報道も伝える

 向かうは負けたら終了の本戦トーナメント。日本代表は“見たことのない新しい景色”を目指して戦う。ベスト8進出をかけて、まずはクロアチア代表と激突。玉田氏は、「前回大会準優勝国。チームも選手も経験が豊富なので厄介とは感じるが、隙はある。日本が勢いを持って挑めると思うので、チャンスだと思う」とにらむ。

 注意すべきは「モドリッチ選手。37歳でレアルマドリードでトップのレベルでプレーしているだけでもすごいが、どんな試合でも手を抜かない。日本の選手も見習わなければならない。試合をやりながら学んでほしい」とコメント。ダバディ氏は「(ワールドカップでは)1998年と2006年にも対戦があるが、3度目の正直を」と期待を寄せていた。

 加えて、「2002年のトルシエさん時代のトルコ代表を思い出す渋い相手。モドリッチ選手というファンタジスタもいるが、周りもハードワーカーでフィジカルも強い。ただ、98年、06年に比べれば下り坂にも感じる。モドリッチが世界最優秀選手のバロンドールを獲得してからかなり時間がたっている。一時期はチームのほとんどの選手がチャンピオンズリーグのトップクラブにいたが、今はチームの半分くらいしかいない。そんなに日本が恐れる相手ではないと思う。慎重には戦う必要はあるが、日本代表の今の勢いで行けばチャンスもある」とした。

 次戦のクロアチア戦は12月6日午前0時(日本時間)キックオフ。玉田氏は「三笘選手の推進力は大事。伊東選手と三笘選手のサイドを突く攻撃は有効だと思う。中盤のキーは守田選手。前線に良いパスを供給する役割は彼が担っていると思う」という。

 気になる戦略については、「カウンターは有効」と分析。「ボールを持たれても全く気にせずに、カウンターをするという意識を持ちながらやることが重要」とさらなる躍進に期待を込めていた。
(『ABEMAヒルズ』より)