[カタール・ワールドカップ・グループステージ第3戦]日本 2-1 スペイン/12月1日/ハリファ国際スタジアム

 日本代表がスペイン代表を2-1で下したニュースは、韓国でも多くのメディアが“速報”の枕詞をつけて一斉に報じている。

「日本、スペインに2-1の逆転勝利、“組1位で16強”森保マジック」(地方紙『釜山日報』)
「また“後半逆転”日本、スペイン破り“死のE組”1位16強」(総合メディア『news1』)
「日本が“無敵艦隊”スペイン撃沈…2大会連続16強」(テレビ局『SBS』)
「“お化けチーム”日本、スペインに奇跡のような逆転勝ち…2連続16強」(経済メディア『ヘラルド経済』)
「“効率の極致”日本、W杯史上最低支配率“17パーセント”で勝利」(サッカー専門誌『FourFourTwoKOREA』)
「誰も予想できなかった日本のグループ首位→2大会連続16強」(スポーツ紙『スポーツ東亜』)
 
 白熱した試合の経過は、韓国でもキックオフから逐一伝えられた。日本が1点ビハインドで前半を終えた際には「前半は捨てたのか? 日本がスペインに先制奪われ0-1」(ネットメディア『STNスポーツ』)、「このままなら日本は16強入り失敗」(スポーツ紙『スポーツ朝鮮』)といった見出しが並んでいた。しかし、後半開始早々のわずか3分間で2得点を挙げ、生まれた逆転劇に、どのメディアも驚きを隠せない様子だった。

 そこで目立ったのが、森保一監督の采配と交代出場の選手に対する称賛だ。

「投入6分で堂安と三笘が大仕事、再び輝いた森保監督」(一般紙『ソウル新聞』)、「用兵術が光った森保監督」(ニュース専門チャンネル『YTN』)、「スーパーサブ体質?堂安、交代投入の度に“ジャイアントキリング”」(サッカー専門メディア『FOOTBALLIST』)などと伝えられたなか、サッカー専門メディア『InterFootball』は「出場したらサイド破壊…ブライトンのウインガーは日本の“特級ジョーカー”」と題した記事で、逆転ゴールをアシストした三笘を次のように評価している。

「三笘薫は“特級ジョーカー”の面貌をハッキリと示した。後半開始から投入された彼は左サイドを揺るがし、狂った攻勢を繰り広げた。(逆転後)スペインの攻撃が強化され、日本はディフェンスラインを下げたが、カウンターの度に三笘は存在感を誇示した。プレスも良く、カバー範囲も広く、より良く活用された」
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 また、スポーツ紙『スポーツソウル』は「日本が2つの新たな歴史を記した。1つはアジア勢初のW杯2大会連続ベスト16入り。もう1つはアジア勢でW杯最多勝利数となる7勝目を手にしたことだ」と、日本が成し遂げた偉業の数々を紹介した。

「ドイツとスペインの恥辱、アジアサッカーを無視して凄惨な一撃を受けた」と見出しを打った経済紙『ファイナンシャルニュース』は、「日本はアジアサッカーの地位を高めた。韓国の立場では少しお腹も痛くなるが、今回のカタールW杯において“Pride of Asia(アジアの誇り)”が日本だということは明らかな事実だ」と強調していた。
 
 一方の韓国も現地時間12月2日、決勝トーナメント進出を懸けた運命のグループH最終節を迎える。ただ、突破条件はポルトガルに勝利したうえで、同時刻に行なわれるガーナ対ウルグアイの結果次第と厳しいものであり、さらにはパウロ・ベント監督が前節のレッドカードでベンチ入りできないなど、苦しい状況で戦わなければならない。

 それでも、「ドイツとスペイン相手に2度も“ドーハの奇跡”を描いた日本のように、そして4年前に“カザンの奇跡”を成し遂げた先輩たちのように、ベント号も十分にやり遂げることができる。今度は韓国が全世界を驚かせる番だ」と報じたスポーツ&芸能メディア『OSEN』のように、同じアジアの日本に続けと自国代表に発奮を促すメディアは多い。

 はたして2日連続でアジア勢による“ドーハの奇跡”は生まれるのか、韓国の奮闘を大いに期待したい。

構成●ピッチコミュニケーションズ