2連勝で突破を決め迎えたチュニジア戦でメンバー入れ替え敗戦

 現地時間11月30日、フランス代表はグループリーグ2連勝を飾り、すでに決勝トーナメント進出を決めている状態で迎えたチュニジアとの第3戦。現実的に優勝を目指せるチームは必然的にこなす試合数が多くなるため、選手の疲労やケガを避けて、なるべくベストの状態をキープして戦っていくのが定石となる。当然、レ・ブルー(フランスの愛称)もそうした戦い方を選択し、このチュニジアとの一戦はキリアン・ムバッペらの主力を温存して臨んだ。

 スタンドの勢力図はフランスの劣勢。サポーターの声援を受けて果敢に攻撃を仕掛けてくるチュニジアに手を焼き先制点を奪われる。失点を許したフランスは挽回のためムバッペ、アドリアン・ラビオ、アントワーヌ・グリーズマンと次々に主力を投入したがそのまま敗戦。リーグ戦を締め括る最終戦に敗れたことは、チームの雰囲気としてマイナスになることは否めないだろう。

 それでも目指すは頂点である。過去にワールドカップ(W杯)を連覇したのはイタリアとブラジルの2か国。偉業達成は容易なことではない。しかし、今大会で連覇のチャンスがあるのはフランスだけだ。

 国歌斉唱の際、ベンチスタートとなったムバッペを望遠レンズで捉える。流れるラ・マルセイエーズに表情を引き締めるフランスの先導者。革命の響き。1958年、62年のブラジルの連覇から成し遂げられていない偉業にフランスは突き進む。(FOOTBALL ZONE特派・徳原隆元 / Takamoto Tokuhara)