「FIFA ワールドカップ カタール 2022」グループE。“死の組”と呼ばれたグループで、格上と言われるドイツ、スペインを相手に勝利をおさめ、1位突破を果たした日本代表。冨安健洋は、勝利した2試合で後半から出場し、5バックの一角で“逃げ切り”に貢献した。右ウイングバックでプレーし抜群の守備力を示した冨安は、強豪スペイン相手にも「しっかりやれた」と振り返りつつも、ベスト8は「簡単ではない」と気を引き締めた。

【映像】日本代表・冨安健洋 ベスト8は「簡単ではない」

-スペイン戦でピッチに入った時は難しい局面だった。どんな気持ちだったか。

 状況的に、入るなら右ウィングバックだろうと予想していたので、問題なく入れたと思います。あとは、失点しちゃいけないというシチュエーションだったので、しっかり0に抑えてゲームをしめるというのは意識して入りました。

-実際に対戦したスペイン代表の印象は
 
 前半はしっかり守備から入るということで、より相手にボールを持たれる展開のなかでプレーしていましたが、後半、僕が入ったタイミングではよりはっきりと「失点しちゃいけない」という状況でした。そんななかでも、周りとコミュニケーションをとりながらしっかりできたのではないかと思います。

-今の身体のコンディションは

 スペイン戦に出て良いコンディション調整ができたので、次の試合はもっと良い状態で臨めると思います。

-90分フル出場も。

 大丈夫です。

-戦術に合わせて、ポジションごとに頭を切り替えるのは大変ではないか。

 アーセナルでもやってることなので…。試合によって、サイドバックの右をやったり左をやったりということはあるので、細かいところでの切り替えはあるが大きくは変わらないです。ディフェンダーなので、まずは無失点におさえるというところを目標にやっています。

-ドイツ、スペインに勝利したことは日本のサッカー界にとっても大きいのでは。

 欲を言えば、ああいう戦い方、アジャストする形ではなく、僕たちが主導権を握って勝てるようになっていければ、次のステップに進むことができるんじゃないかなと思っています。

-「主導権を握る」というステップに進むために必要なことは。

 全選手が所属チームでやっていることが代表にもつながるので、少しでもレベルの高いリーグやクラブでプレーすることで、日常が変わってくると思います。世界的な強豪国は、当たり前のようにプレミアリーグや世界的なビッグクラブでやっている選手が多いので、そういった国になっていければいいなと思います。少しでもレベルの高いところでサッカーをするということが大事なポイントかなと思います。

-自らを厳しい環境に置き続けるための原動力は。

 サッカー選手である以上少しでも上を目指すのは全選手が思ってることだと思います。環境が人を作ると思うので、自分が少しでも成長できる環境に身を置いて、練習の中でも少しずつ背伸びをしながらプレーすることで、成長につながると思います。(原動力は)そこですね。

-クロアチア戦対策ができる期間が短いことについてはどう感じる。

 でも、クラブチームでも中2-3日でやってるので、いつもと変わらないですね。ここ3試合も中3日でしっかり準備できているし、ピッチ外でもたくさんサッカーの話もしてるので、そういうコミュニケーションをやっていければいいかなと思います。

-コミュニケーションの発信はやってるか。

 誰が中心という感じじゃないですね。みんな自分が思ったことをぱっと口にして話してという感じ。全員でコミュニケーションとってる感じですね。

-ベスト8まであと1つ。クロアチア戦の重要性はどう考える。

 本当に簡単じゃないと思っています。だから今大会まで達成できていない目標ですし。でも、できる限りのことを準備して臨みたいと思ってます。あとは自分たちを信じて、過小評価せず、思い切ってやるだけかなと思います。

-サポーターに向けて。

 サポーターの力は大きいです。日本からも届いていますし、僕たちの力になっています。僕たちは、応援してくれる方たちに何かをお返しできるようにピッチ上で全力でプレーするので、僕たちが歴史を塗り替える瞬間を一緒に、目の当たりにしてくれたらなと思います。

(『ABEMANEWS』より)