サッカー日本代表は5日に行われるカタールワールドカップの決勝トーナメント1回戦・クロアチア代表戦に向けて準備を続けている。

 4日に取材に応じたDF冨安健洋は、対戦相手のクロアチア代表について「前回大会で準優勝していますし、僕が前回大会を見ていて一番印象に残っている国の1つ」と述べた。チームの目標であるベスト8進出に向けてモチベーションは最高潮に達している。

「全選手がハードワークしていましたし、見ている人たちが応援したくなるような国の1つだと思いました。そういった国に対して、僕たちがどれだけできるかをピッチ上で表現できれば」

 冨安は「中盤の3人はインテル、チェルシー、レアル・マドリードという世界的なビッグクラブでやっている選手たちですし、中盤のクオリティは今大会に出ている国の中でもベストの1つ」と警戒する。

 しかし、その中盤以上に対戦を心待ちしている選手がいる。それはクロアチア代表の左サイドで絶大な存在感を発揮しているMFイヴァン・ペリシッチだ。「トッテナムのペリシッチ選手はイタリア時代に対戦していて、いい選手だと感じました。(自分の所属クラブは)アーセナルですし、(ペリシッチの所属は)トッテナムということで、絶対にやらせてはいけない相手。そこはしっかり抑えたい」と、24歳のDFは意気込んでいる。

 冨安はボローニャ時代にインテル所属だったペリシッチと対戦してきたが、両者とも活躍の場をイングランドに移している。今回はロンドンで激しいライバル関係にあるアーセナルとトッテナムのプライドを賭けた戦いになるだろう。

「アーセナルでプレーしていると勝手にそういう意識が芽生えてくるので。もちろんサポーターの方も『そこだけはやらせるな』と思っているでしょうし、しっかり抑えたいと思います」

 先月23日のドイツ代表戦に出場した後、右太もも裏に違和感を訴えて別メニューで調整を続けていた冨安は、今月1日のスペイン代表戦で復帰を果たした。68分から途中出場して2-1での勝利に貢献した後には「20分強出られたので、いいコンディション調整になったかなと思います」と語っていたが、クロアチア代表戦に向けて「次の試合はもっといい状態で臨める」と90分間フル出場も問題ないという考えを示した。

 もし冨安が右サイドバックや右ウィングバックで出場すれば、ペリシッチと直接マッチアップする可能性が高い。ワールドカップの舞台で繰り広げられるノースロンドン・ダービーの行方は、勝敗を大きく左右することになるだろう。

(取材・文:舩木渉)

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