日本代表がスペイン代表を2-1で下した試合の後、敗軍の選手から話を訊くことができた。

 東京五輪では、延長にもつれ込んだ準決勝で日本を沈めるゴールを決めたFWのマルコ・アセンシオは、「僕たちが負けるなんて思ってもみなかった」と話し、茫然とした様子だった。

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「試合前に『スペインが負ける』と言われても、誰もそれを信じなかったろう。だがそもそもそれが間違いだった。この試合はそれを良く教えてくれた。今日、スペインは日本から贈り物をもらった。日本は僕たちの弱い部分、足りない部分を教えてくれた。これはこの先を進むうえでとても大事なものになるだろう」

 57分からピッチに立ったアタッカーは、「それにしてもほんの数分間ではあるが、(他会場でコスタリカがリードして)スペインが敗退の危険まであったのは、決して忘れることはできない」と話し、その場を立ち去って行った。

取材・文●リカルド・セティオン
翻訳●利根川晶子

【著者プロフィール】
リカルド・セティオン(Ricardo SETYON)/ブラジル・サンパウロ出身のフリージャーナリスト。8か国語を操り、世界のサッカーの生の現場を取材して回る。FIFAの役員も長らく勤め、ジーコ、ドゥンガ、カフーなど元選手の知己も多い。現在はスポーツ運営学、心理学の教授としても大学で教鞭をとる。