日本代表のMF田中碧(デュッセルドルフ/ドイツ)が、5日に行われたFIFAワールドカップカタール2022・決勝トーナメント1回戦クロアチア戦を振り返った。

 ドイツ代表とスペイン代表を抑えてグループEを首位通過した日本代表は、決勝トーナメント1回戦でクロアチア代表と対戦。1-1のままPK戦にまでもつれ込んだ死闘の末、またしてもベスト8の壁を超えることはできなかった日本代表。試合後、「世界を倒す距離」について口にした田中は「世界との距離は縮まっているとは思いますが、それは日本だけではない。自分たちが縮まっていると思える部分もあれば、他のアフリカやアジアの国々も同じ。世界的に見れば縮まっていると思う」と語りつつ、「でも結局、ベスト8やそういう舞台に残っていくチームはちゃんとしたチームだし、そういう意味ではそこのステージに届くまでの距離はまだちょっとあったかなと思います。悔しいですね」と世界最高峰を実感したことを明かした。

 続けて田中は「こういう経験を経て、多分そこのステージに辿り着けるのだと思います。“個人個人が”はもちろん大事だし、“チームが”というのも。いろいろな経験を重ねて、次のステージで戦える権利を得られる。この経験は一生忘れることはないだろうし、これを4年後、あの経験があったから勝てたなと言えるようにしなくちゃいけない。自分自身がもっと成長して、またここに戻ってきたいです」と悔しさを糧に、4年後に向けて思いを馳せた。

 今大会で日本代表は、2度の“ジャイアントキリング”を起こし、世界中を驚かせた。最終的には『まだ見ぬ景色』を拝むことはできなかったが、チームの戦いぶりに言及した同選手は「やはり強い相手を倒せる立場にいるのが僕らだと思う。それは僕らにしかない特権。幾度となく悔しい経験をして、今回もそうですし、今まで自分は何をやってきたんだろうと思うくらい悔しいですけど、僕は本当に素晴らしいチームだったなと、素晴らしい国に生まれたなと実感しています。この借りを次、ここにはもう化け物しかいないですけど、今度は自分が化け物になってここに戻ってきたい。そして優勝したいなと思います」と決意を固めている。