サッカー日本代表は現地5日、カタールワールドカップの決勝トーナメント1回戦でクロアチア代表に敗れた。1-1のまま突入した延長戦でも決着がつかず、PK戦の末にまたもベスト16で敗退となってしまった。
先発出場していたFW堂安律は「正しい言葉が見つからないですけど、国民の皆さんに申し訳ない気持ちです」と謝罪の言葉を述べた。
日本代表は43分にコーナーキックの流れからFW前田大然が先制ゴールを挙げ、堂安も「素晴らしい形で得点できたと思いますし、前半はすごくアグレッシブにプレーできていました」と手応えを感じていた。
しかし、55分にDFデヤン・ロヴレンからのロングクロスにMFイヴァン・ペリシッチが頭で合わせてクロアチア代表に同点ゴールが生まれる。そこから日本代表は守勢に回る時間帯が長くなり、勝ち越しゴールを奪えないまま延長戦に突入してしまった。
堂安は「素晴らしい準備をしてこの試合に臨めた手応えはありましたけど、失点から、疲れもあったので少しギアを上げきれなかった」と述べ、「自分も何かしようとしていましたけど、チャンスを作れなかったので反省しています」と思うように反撃に出られなかったことを悔やんだ。
日本代表にとって4度目となるベスト8への挑戦は、またしても壁を破れずに終わってしまった。2010年南アフリカ大会はPK戦での敗退、2018年ロシア大会は2点を先行しながら終盤に逆転されて敗退、そして今回もPK戦までもつれての敗退と、ベスト8まであと一歩まで迫りながら涙を呑んできた。
この「あと一歩」のわずかな差をいかにして埋めるのか。「運が悪かっただけで4回目では済まないし、何かが足りない」と語った堂安は「正直、今はパッと答えられない」と、ベスト8以上に進むために足りないものを見つけられずにいたが、「ボールを握られる時間が多くなると、勝つ確率は下がる」という感覚はつかんでいた。
「正直、ドイツ代表やスペイン代表とやったときは『わずかな差』ではなかったです。やっぱり大きな差は感じながらやっていました。あれが戦術だと言ってしまえば済むんでしょうけど、勝ったとはいえ、日本があれをずっとやりたいわけじゃない。
そこには大きな差を感じましたけど、今日に関して言えば全然差は感じなかった。みんな1対1で勝っていましたし、前半から押し込めていましたし、ボールを持てていたし、チャンスもあった。今日に関して(クロアチア代表との差)はわからないですね」
堂安は「夢の舞台だったので、今までにないアドレナリンや高揚感を感じながらやっていました。僕たちは結果も出ていたので、うれしさが多かった。いい思い出が多い大会ではありましたけど、逆に憎いなという大会でもありました」と、初めてのワールドカップを総括する。
だからこそ、「ここで負けてしまうのは残酷な結果」だとうなだれる。ドイツ代表やスペイン代表ほどの大きな差を感じなかったクロアチア代表に、PK戦までもつれた末に敗れて大会を去ることになった悔しさは計り知れない。
「この26人で戦えるのは最後でしたし、本当に素晴らしいアドバイスをくれる先輩方がいたので、彼らと1試合でも多くやりたかった。今この場で切り替えて、『4年後頑張ります』と安易に言えるような感情ではないです」
失望の大きな敗戦から立ち直り、次のステップへ進めるだろうか。今度こそワールドカップでベスト8以上に進むため、堂安は日本代表を引っ張っていく選手になっていかなければならない存在だ。
(取材:元川悦子、文・構成:編集部)
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