監督業について「幸せな仕事」と充実感
カタール・ワールドカップ(W杯)決勝トーナメント1回戦のクロアチア戦(1-1PK1-3)に敗れた日本代表は、試合翌日の12月6日に森保一監督と全26選手が報道陣の取材に対応した。そのなかで森保監督は、続投も示唆している。
日本史上初の8強進出を目標に掲げていた日本だったが、前回大会に続くベスト16での敗退となった。それでもグループリーグでは、ドイツ代表とスペイン代表にそれぞれ2-1で勝利し、グループEの首位で決勝トーナメントに進出して世界を驚かせた。
現役時代、日本代表選手として1994年のアメリカW杯最終予選に臨み、カタールのドーハで「ドーハの悲劇」を経験していた指揮官は、「ドーハを歓喜の地に変えることができたと思います」とコメントした。
「ベスト16の壁に阻まれて、新しい景色ではなかったと思いますけれど、ドイツ、スペインと戦っても勝てる。決勝トーナメント1回戦で対戦したクロアチアも、FIFAランキング12位です。そういう世界のトップトップの国とも、互角に渡り合っていける。そして勝っていけるという素晴らしい景色を選手たちは見させてくれたと思いますし、改めて世界に学ぶ点は、まだまだ日本サッカーに多いと思います。見上げるだけではなく、追いつきから追い越せに、本気で選手たちがマインドを変えさせてくれたと思います。みなさんも、そのマインドで、また我々を見ていただき、刺激していただけたらと思います」
4年間、日本代表監督を務めた苦労について問われると、「突き詰めれば、仕事はどんな仕事でも大変だと思っています。一言でいうと、幸せな仕事だと思います。やはり自分の好きなことができて、楽しみながら充実感を持って仕事ができていますし、幸せな仕事をさせてもらっているなと感じます。プレッシャーはありますが、ストレスは感じずに仕事をさせてもらっています。その部分では自分の好きなこと、楽しめることをやらせてもらえています。『クレイジージョブ』って言われますが、私の中では全然『クレイジー』なところはない。幸せな仕事だと思います」と語った。
そして、この「幸せな仕事」を、この先も続けていくことについては「監督業をまだ続けていこうかなという気持ちもありますし、少し間を空けてヨーロッパに勉強に行くことも考えています。報道は見ていますけど(笑)、まだ現実的な話は全くしていないので、これからまた考えていきたい」と、代表監督の継続も選択肢にあることを示唆した。(FOOTBALL ZONE特派・河合 拓 / Taku Kawai)